社員を主役にした70周年記念誌。人と組織の魅力を再発見する機会に

東京冷機工業株式会社

ブランドコミュニケーション

東京冷機工業は創業70周年を記念し、顧客向け・社員向けの記念誌を制作した。50年史、60周年記念誌と続いてきた同社の周年誌は、会社の歩みを記録する歴史資料としての役割が中心だった。一方、今回の70周年記念誌では視点を大きく変え、「今の東京冷機工業らしさ」を伝えることを重視。会社の歴史だけでなく、社員一人ひとりにスポットライトを当て、働く人たちの姿や思いが伝わる誌面づくりに取り組んだ。完成した記念誌は、社外に向けた企業理解の促進だけでなく、社内においても新たな気付きを生み出すことになった。

歴史を伝えるだけでなく、「会社の今」を伝えたい

70周年記念誌の企画にあたり、制作メンバーの間で共有されていたのは、「社員の顔が見える冊子にしたい」という思いだった。

これまでの周年誌は、沿革や出来事を中心に構成された歴史資料としての色合いが強く、文章主体の内容だった。一方、今回はできる限り多くの社員に登場してもらい、会社の雰囲気や企業文化が自然と伝わる内容を目指した。

70周年記念誌はオールカラーで制作。若手社員からベテラン社員まで幅広く登場し、業務に向き合う姿や仕事に対する考え方を紹介した。

制作に携わった総務人事部係長の髙波信彦氏は、「本当は社員全員を掲載したいくらいだった」と振り返る。経営層だけではなく、現場で活躍する社員の姿をできる限り誌面に盛り込むことで、会社を支える“人”を主役に据えた。

髙波信彦氏の写真

東京冷機工業株式会社 総務人事部 係長

髙波たかなみ 信彦のぶひこ 氏

若手社員座談会から見えた、未来を担う世代の姿

記念誌の中でも印象深い企画の一つとなったのが、若手社員による座談会だった。

入社数年目から中堅層までの社員が参加し、仕事への向き合い方や将来の目標、会社への思いについて率直に語り合った。

取材に立ち会った髙波氏は、若手社員たちの発言に強い印象を受けたという。

「みんな、それぞれがしっかりと自分の考えを持っていました。会社の将来や自分の仕事について真剣に考えていて、とても頼もしく感じました」

また、一緒に制作に携わった企画室法務部の塚本健二氏も、「若手社員が会社の未来をどう考えているのかを知ることができた」と振り返る。普段の業務では見えにくい社員一人ひとりの考え方を記録できたことは、この企画の大きな成果だった。

企画「若手・中堅若手社員座談会」のページ
企画「若手・中堅若手社員座談会」

ベテラン社員の仕事観を伝える「プロフェッショナルの哲学」

もう一つの注目企画が、長年会社を支えてきたベテラン社員を特集した「プロフェッショナルの哲学」だった。

企画では、技術者として大切にしている考え方やお客様や関係各社様との向き合い方、後進への思いなどを取材。東京冷機工業の現場で受け継がれてきた価値観や仕事観を掘り下げた。

髙波氏は、「誌面の中でも特に印象に残っている企画の一つ」と話す。

「若手社員の企画ももちろん良かったのですが、『プロフェッショナルの哲学』に登場した社員の皆さんは、本当に輝いて見えました。経験に裏打ちされた言葉には重みがあり、こうした方々が会社の歴史を支えてきたのだと改めて感じました」

一方で、60周年記念誌の制作にも携わり、50年史からの変遷を知る塚本氏は、「今回の70周年記念誌では、社員一人ひとりの考え方や姿勢がよく伝わる内容になった」と振り返る。歴史を振り返るだけではなく、現在の東京冷機工業を形づくる人たちの魅力を伝えられたことに手応えを感じているという。

企画「プロフェッショナルの哲学」のページ
企画「プロフェッショナルの哲学」

若手社員座談会が未来への視点を示す企画だったとすれば、「プロフェッショナルの哲学」は、70年にわたって培われてきた同社の仕事観や企業文化を言葉として残す企画だった。異なる世代の社員を取り上げることで、現在の東京冷機工業をより立体的に表現することができた。

社員にもお客様にも伝わった「東京冷機工業らしさ」

完成した記念誌は、社内外から好意的な反響を得た。

社員から大きな声が寄せられたわけではないものの、自分や同僚が誌面に掲載されていることで自然と話題になり、多くの社員が手に取って読んでいたという。

塚本氏は、「これまでの周年誌は文字が中心だったが、今回は自分や知っている社員が載っているので関心を持って見てもらえたのではないか」と振り返る。社員本人だけでなく、先輩や後輩、同じ部署の仲間が掲載されていることで、より身近な冊子になった。

お客様からも好評だった。

社員の写真をふんだんに掲載したことで、会社の雰囲気や働く人たちの姿が伝わりやすくなり、「会社の様子がよく分かる」「親しみやすい内容になった」といった反応があったという。

髙波氏は、「社員が主役になっていることで、会社の姿勢や大切にしていることが伝わりやすい冊子になったと思います」と話す。

また、社内においても記念誌は単なる記録媒体にとどまらなかった。設計、工事、保守・修理、管理部門など、普段は接点が限られる部署同士がお互いの仕事や考え方を知る機会にもなった。

「普段から知っている人でも、『こういう考え方をしていたんだ』と驚くことがありました。それぞれがしっかりした思いを持って仕事をしていることを改めて知ることができました」と髙波氏は振り返る。

周年誌づくりが再認識させてくれた「人の力」

今回の周年誌制作を通じて、髙波氏が強く感じたのは、「もっと社員を前面に出してよいのではないか」ということだった。

取材を重ねる中で、若手社員にもベテラン社員にも、それぞれに語るべき仕事観や魅力があることを改めて実感したという。

「周年誌を制作してみて、社員はもっと発信していい存在だと思うようになりました。これだけ魅力的な社員がいるのだから、採用活動や広報活動でももっと紹介していけるはずです」と髙波氏は話す。

創業70周年の歴史を振り返るなかで、同社が積み重ねてきた技術や実績だけでなく、それを支える社員一人ひとりの存在価値も改めて浮かび上がった。

髙波氏は、「周年誌づくりは、会社の歴史を知るだけでなく、社員一人ひとりの考え方や思いに触れられる貴重な機会だった」と振り返る。

社員を主役に据えた70周年記念誌は、企業の歩みを記録するだけでなく、人と組織の魅力を再発見する機会となった。そして制作を通じて得られた最大の成果は、東京冷機工業の魅力を形づくっているのは社員一人ひとりであることを、あらためて社内で共有できたことだった。今後の採用や広報活動にもつながる、新たな気付きが生まれた70周年事業となった。

周年誌を持つ髙波信彦氏の写真

廣田 亮平(日経BPコンサルティング)
脇山 誠司(日経BPコンサルティング)

東京冷機工業株式会社

https://www.to-rei.jp/

1956年創業の空調設備の総合エンジニアリング企業。空調・冷熱設備の設計、施工から点検・保守までを一貫して手掛け、オフィスビルや商業施設、工場、医療施設など幅広い建物の快適な環境づくりを支えている。関東エリアを中心に営業拠点・サービスステーションを展開し、24時間365日のサポート体制で顧客の設備運用を支援している。近年は、省エネルギー・脱炭素化への対応やDX推進、人財育成にも注力。長年培ってきた技術力と現場力を強みに、顧客の課題解決と持続可能な社会の実現に取り組んでいる。


  • 本文中の情報は、2026年10月現在のものです。
  • 本文中に記載の社名、製品・サービス名およびロゴマークは、各社の商標または登録商標です。
  • 本文の内容について、理由や形態を問わず、一部または全部の複写・改変・転載を禁止します。

関連記事

関連リンク

コミュニケーション課題を解決し持続的な企業価値の向上に貢献しますお気軽にご相談ください