Sony Bank WALLETはデジタルとリアルを繋ぎ、顧客体験を向上させる

2019.12.27

マーケティングリサーチ

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    マーケティング本部 コンサルティング部 中藤 宏平

Sony Bank WALLETはデジタルとリアルを繋ぎ、顧客体験を向上させる
左から
イバン・コディナ氏(LaLiga 東南アジア・日本・韓国・オーストラリア地域担当ダイレクター)
ガイスカ・メンディエタ氏(LaLiga アンバサダー)
住本 雄一郎氏(ソニー銀行株式会社 代表取締役社長)

ソニー銀行とスペインのプロサッカーリーグ「LaLiga(リーガ・エスパニョーラ。以下、LaLiga)」は、ソニー銀行がLaLigaの日本におけるオフィシャルバンキングパートナーになることを発表しました。両者の狙いは何か?
見えてきたのは、テクノロジーの深化によって、顧客体験が変化していく姿です。

ソニー銀行株式会社がLaLigaの新たなパートナーに

ソニー銀行株式会社がLaLigaの新たなパートナーに

2019年12月10日、ソニー銀行は、LaLigaの日本におけるオフィシャルバンキングパートナーになることを発表しました。
ソニー銀行の代表取締役社長・住本雄一郎氏は、「日本のサッカーファンならびにLaLigaファンに、ぜひ現地観戦へ足を運んでいただきたい」と、コメント。ユーザーへの期待を語ります。
一方、LaLiga 東南アジア・日本・韓国・オーストラリア地域担当ダイレクターを務めるイバン・コディナ氏は、ソニー銀行、並びにLaLigaの狙いを次のように話します。「ソニー銀行は、この契約締結により、サッカーファンならびにLaLigaファンにおける認知が高まり、顧客基盤の拡大を図ることができます。我々は、サッカーという強力なコンテンツを通じて、ユーザーとのエンゲージメントの強化していきたい」と語りました。

テクノロジーの進化。リアルに還元

近年、様々なスポーツ観戦にテクノロジーが駆使され、新しい顧客体験を提供しています。例えば、テレビやインターネットにおけるリアルタイム視聴。ユーザーは、観戦中に応援する選手の個人成績やチーム成績を取得できるだけではなく、5Gの導入により、今まさに試合中の選手のスプリント数やスピード、走行距離、心拍数などのフィジカルデータも閲覧できるようになるなど、新たな楽しみ方として大きな期待が寄せられています。

同様にVRゴーグルは、球際のせめぎ合いをあたかも目の前で見ているかのような視聴体験をユーザーに提供しています。どちらも、リアルタイムの試合(データ)を途切れることなく取得・提供することで成立する視聴体験です。

こうした仮想現実やデータ取得など、新しいテクノロジーを生かしたユーザー体験の変化は、何も「試合中」に限ったことではありません。
この意味で、今回のパートナーシップはソニーではなく、ソニー銀行であることに着目したいと思います。

試合観戦時だけでなく、試合前後にも、テクノロジーによる新たな価値を届けることができるはずだからです。今回のソニー銀行を例にすると、貯めた外貨を外貨のまま決済できる「Sony Bank WALLET」であれば、海外旅行やLaLigaを現地で観戦するときのキャッシュレス決済は、現金決済とは異なる利便性を提供できます。
ソニー銀行が展開する「Sony Bank WALLET」は、11通貨対応のVisaデビット付きキャッシュカードです。海外ATMで外貨口座から直接現地通貨を引き出せるため、日本から海外へのアウトバウント利用で、利便性が高いものです。当然ながら、今回のスポンサー契約により、日本のファンがLaLigaを観戦する時での利用拡大を見据えているでしょう。

これからのマーケティングは?

昨今、国内でも浸透しはじめたキャッシュレス決済。ユーザーは、還元ポイントやスピーディーな決済、お金の流れを管理しやすい、といったメリットを享受します。一方、事業者にとっては、ユーザーの(少額)決済を通じて、これまで見えてこなかったユーザーの嗜好性や移動、場所などのデータを入手できるようになります。そこでは、デジタルとリアルの明確な枠組みは存在せず、ユーザーの暮らしや仕事ぶりは、はっきりとした輪郭でもって、中身も明確に浮かび上がってくるでしょう。その時、デジタルデバイスのブラウザやアプリの閲覧・利用履歴に基づく、性年齢、嗜好性などの推測を頼りにアプローチするだけでは、ユーザーの心を動かせないのではないでしょうか。では、どのようにアプローチしていけばよいのか。また別の機会にまとめたいと思います。

中藤 宏平

マーケティング本部 コンサルティング部
中藤 宏平(なかとう・こうへい)

企業広報、制作ディレクターとして、数多くのPR業務を担当し、企業のコミュニケーションプランの企画・実行に従事。 2019年5月、日経BPコンサルティング入社。

 

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