企業広報調査レポート

変わる広報、変わる企業サイト コーポレートブランディングの「今」

2017.04.21

ブランディング

  • チーフコンサルタント 松井 一郎

PART-2 コーポレートWebサイト等への取り組み
「中身」への一定の自信と高まるSNSへの関心。運用管理には課題が

(1)コーポレートWebサイトに対する評価

「内容」「使い勝手」には自信も、 予算や人員への不満が明らかに

「コンテンツの内容」と「情報の探し易さ」については肯定派がやや優勢。広報担当者も一定の自信を持っている様子が分かる。一方で「予算」「運営体制、負担の少なさ」に対しては否定派が上回り、問題視されている状況が浮かび上がった。トータルでは肯定派と否定派が拮抗している。

【質問】
御社のコーポレートサイトを、以下の(A)~(F)の点について評価すると、どのようになりますか(それぞれ1つずつ)
コーポレートWebサイトに対する評価

(2)コーポレートWebサイトにおける各種事柄の実施状況

対応早い「スマホ」「動画」「CMS」。「リード獲得」はこれから

目立って進んでいるのは「スマホ対応」「動画の活用」「CMSの利用」の3項目。これらに加え、「コーポレートWebサイトを通じた見込み客(リード)の獲得」も17.7%が既に実施しており、「今後実施してみたい」を含めると5割を超えるという関心の高さを示している。

【質問】
御社のコーポレートWebサイトにおいて、以下の(A)~(E)の事柄を実施していますか(それぞれ1つずつ)
コーポレートWebサイトにおける各種事柄の実施状況

(3)コーポレートWebサイトに関する業務の実施者

コーポレートサイトの現状は 「運営は広報、制作は全社で」

コーポレートWebサイトの運営は広報を中心に、様々な部署が関与して行われているのが実情だ。広報は「サイト全体の設計、企画」「サイトの更新作業などの運用管理」まで、いずれも4割台と、広範囲で深く関わっている。他方、「個々のコンテンツの執筆や編集」「個々のコンテンツの企画」などでは「その他の社内の担当者」が目立った。

【質問】
コーポレートWebサイトに関して、以下の(A)~(D)の事柄は誰が行っていますか(それぞれいくつでも)
20170421_09.gif

(4)ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

すでに4割がSNSを活用。今後の注目株は「Instagram」

ソーシャルメディアの企業アカウントを現在保有しているのは回答企業の4割強だった。内訳は「Facebook」の利用が最も多く(30.1%)、次いで「YouTube」(24.6%)、以下「Twitter」(16.8%)、「LINE」(8.6%)だった。多くの企業で今後力を入れたいツールとして挙がったのは「Instagram」と「LINE」だった。

【質問】
御社のソーシャルメディア(SNS)のコーポレート利用について、以下(A)、(B)に該当するものをお聞かせください(それぞれいくつでも)
20170421_10.gif

(5)コーポレートWebサイトやSNSへの取り組みにおける課題

すべきことは増えているものの、なかなか解消されない人員不足

人手不足とそれに伴う負荷の増大は、ここでも問題となっていた。「運用管理や対応の負荷が大きい」「担当者が多忙で手が回っていない」「全体の戦略立案や設計が難しい」が4割程度と、並んで多かったところに、苦しい現状が表れている。

【質問】
コーポレートWebサイトやSNSの取り組みに関して、御社が感じている課題をお聞かせください(いくつでも)
コーポレートWebサイトやSNSへの取り組みにおける課題

特集:企業広報調査レポート

変わる広報、変わる企業サイト コーポレートブランディングの「今」

ブランディングの重要性が増し、広報活動の最大の目的に

松井 一郎

チーフコンサルタント
松井 一郎

1992年京都大学大学院理学研究科修了。同年日経BP社に入社。日経コンピュータ編集部にてICT分野の取材・記事執筆を行う。コンサルティング局マーケット予測部を経て、同局の別会社化に伴い日経BPコンサルティングに出向。2013年より現職。ICT業界を中心に、マーケティングコミュニケーション領域のコンサルティング、調査、制作支援などを多数担当。日経コンピュータ顧客満足度調査をはじめ記事執筆なども手がける。

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