すっぽり抜け落ちているコンテンツの検討
マーケティングテクノロジーが補いきれない穴
集客、送客、増客において、ツールは力を発揮する。しかし一番大切な点が見落とされている。コンテンツについての検討だ。
マーケター向け調査と広報向け調査からは 両者が同じ志向であることがわかる
自社Webサイトで重視している目的はー
マーケティング部門(以下マーケ部門)と広報部門は共通して、Webサイトの目的で「企業ブランディング」「商品ブランディング」を重視している。日経BPコンサルティングが独自に行った調査によって、マーケ部門では、Webサイトの目的を企業ブランディングとする回答が平均6割を超え(61.3%)、広報では自社の認知拡大、理解、共感、ブランド醸成とする回答、つまり企業ブランディングとの答えが平均で67.9%を占めることがわかった。
一方、商品のブランディングに関しては、マーケ部門は59.1%が重要と回答したのに対し、広報では、認知拡大、理解、共感、ブランド醸成というブランディングに当たる回答が平均51.0%で、若干少ないものの半数を超えた。両者がこのような形で一致しているのは、マーケティング活動と広報活動における、企業・商品ブランドの重要性が表れたものと言えそうだ。
ただし、その手法、舞台は新たな局面を迎えている。次の回答から、従来のやり方より新たな施策を求める意思が明確に見える。
マーケターは従来施策に限界を感じている
広報は報道対応からWeb情報発信へシフト
Web の集客・送客・増客はテクノロジーで強化できるが、肝心の接客コンテンツは…?
穴がそこにある。表紙のコンテンツマーケティングのフローチャートをもう一度見てほしい。「集客」はSEO対策やMAツール、「送客」はEFOやMAツール、「増客」はABMやCRMのシステムなどによって、効率アップを狙うことができる。
しかし、Webの訪問者にブランドイメージを焼き付け、ブランドメッセージを伝え、購買行動を起こすきっかけとなる「接客」に活かせるコンテンツは、テクノロジーだけで制作できるものではない。一部のコンテンツ制作は、将来的にAIが代行するかもしれない。しかしAIができることは、効率的に情報を集めたり、傾向を分析し最適化したりする、いわば手段になるだろう。明確なターゲット設定やメッセージとして提示すべき要素、必要な機能の判断は人間が行うしかない。
この穴を埋める、コンテンツ制作のフレームワークが、「最高の顧客体験を作る6階層」だ。今回の例を当てはめると「企業・商品ブランドをアップさせる」という目的を戦略層に組み込み、順に上へと設計していく。
内容をすぐに知りたい方は当社までお問い合わせを。
マーケター向け調査 調査概要
【調査目的】企業等におけるデジタル・マーケティングやコンテンツマーケティングへの取組状況を明らかにする。【調査手法】Webアンケート調査。【調査対象】マーケティング職、経営や営業、その他部門の勤務者を含む企業等におけるマーケティング活動の関与者。【調査時期】2015年9月28日~30日。【有効回収数】700件。【調査実施】日経BPコンサルティング
広報向け調査 調査概要
【調査目的】企業等の広報活動、特にコーポレートWebサイトやコーポレートブランディングに関して、取組状況と担当者の意識を把握する。【調査手法】郵送法。【調査対象】年商200億円超、従業員数200人超の企業を主対象とした、6000社弱の企業の広報担当者。【調査時期】2016年6月。【有効回収数】915件。【調査実施】日経BPコンサルティング
※この記事は「日経BPコンサルティング通信|マーケティング・テクノロジーフェア|14, February,2017」(小冊子)からの転載です。
SDGsデザインセンター コンサルタント
清水 秀起(しみず・ひでき)
大学時代に某教授のゼミでジェンダー論、フェミニズムを学ぶ。卒業後は出版社の月刊誌編集、IT企業のWebサイト編集・運営等を経て、弊社で企業のブランディング、マーケティング支援に従事。既成の社会観念や価値観に捉われない視点で、企業の本業とSDGs、ESG課題を分析し、貴社の持続可能な成長戦略と価値創造に寄与します。
※肩書きは記事公開時点のものです。