今回は、「自社サイトに対する評価」のアンケート結果をもとに、デジマ専任者や専門部署の有無によるサイトのパフォーマンス評価の違いを見ていきます。ビジネスなどの成果への影響についての評価です。
デジマ専任者がサイトの「集客力」に貢献、「接客力」向上には専門部署の影響大
「自社サイトが期待している成果を挙げているか」という問いに対して、社内にデジマの専任者がいる場合といない場合では、満足度(それぞれ79.5%、52.5%)の差が大きく、27ポイントもの開きがありました(図1)。自社サイトのパフォーマンス全般については、人材(デジマ専任者)登用による効果が期待できそうです。
それでは、サイトのパフォーマンス評価の違いには、どのような要因があるのでしょうか。サイトのターゲット設定を「集客力」、問い合わせフォーム最適化(EFO)を「接客力」とし、これら二つのポイントについての満足度を、デジマに関わる人材、組織の有無によって比較してみました。
まず、「集客力」について、「自社サイトでのターゲティング及び、検索キーワードの絞込み等ができているか」という問いに対して、デジマの専任者がいると、いない場合と比べて、達成感の満足度(それぞれ71.0%、57.1%)が13.9ポイント高くなっていました(図2)。SEO対策やランディングページの最適化などの「集客力」は、専任者を置くことでパフォーマンスの向上が期待できます。
「接客力」も専任者の効果はありました。
「問い合わせフォームや資料請求フォームの最適化(EFO)ができているか」については、デジタル・マーケティングの専門部署がある場合は、ない場合よりも、最適化の達成感についての満足度(それぞれ77.1%、64.5%)が12.6ポイント高い結果となりました(図3)。サイトの「接客力」は、人材だけでなく組織の整備、デジマ専門部署を置くことがレベルアップにつながるようです。
デジマの専門部署がある企業では、ターゲット設定やリード獲得についての危機意識が高い、という結果です。マーケティングに関する考え方そのものの変化、大きな変革の波の先端を切って泳いでいきたいものです。
サイトへの「集客力」はデジマに通じた人材、「接客力」は専門組織で底上げが見込まれることがわかりました。デジマ専門部署がある場合、サイトへの満足度は総じて高いのですが、こうした企業は課題意識も高く、さらに上を目指しているのです。
加えて、デジタル・マーケティングに関わる人材や組織の有無による課題意識の違いを見てみましょう。
「あなたの勤務先において、今後1年間に取り組みを強化すべきビジネス上のテーマをお聞かせください」と尋ねたところ、「ターゲット顧客の明確化やリード獲得の注力」において、デジマ専門部署がある場合は、ない場合よりも、今後一年間のビジネステーマとしている、つまり課題視している割合(それぞれ37.0%、25.5%)は、11.5ポイント多くなりました(図4)。
デジマの専門部署がある企業では、ターゲット設定やリード獲得についての危機意識が高い、という結果です。マーケティングに関する考え方そのものの変化、大きな変革の波の先端を切って泳いでいきたいものです。
このアンケート調査は、企業等におけるデジタル・マーケティングやコンテンツマーケティングへの取組状況を明らかにする目的で、マーケティング職のほか非マーケティング職で経営や営業、その他部門の勤務者を含む企業等におけるマーケティング活動の関与者を対象に、日経BPコンサルティングが企画し、実施したものです。2015年9月28日~30日に、700人から回答を得ました。
連載:デジタルマーケティングの意識調査
- 第1回 「従来のマーケティング手法に限界」 営業担当者が危機感を示す
- 第2回 調査対象の4社に1社がデジマを実施 6割超が投資額増やすもKPI設定に課題
- 第3回 デジタル・マーケティング専門部署の有無で、 こんなに変わるサイト評価