BtoBコンテンツマーケの基礎

BtoB企業が行うべきコンテンツマーケティングとは

2015.12.15

コンテンツマーケティング

前回は、従来のマーケティングとコンテンツマーケティングの違い、そして良いコンテンツの定義について、お話ししました。次にBtoB企業がコンテンツマーケティングを行うにあたり、何を意識しなければいけないのか。コンテンツマーケティングの歴史や、BtoCとBtoBマーケティングの違いを紐解きながら、解説していきます。

コンテンツマーケティングのはじまり

農機具メーカーである米国のディア&カンパニーが1895年に創刊した「THE FURROW」という雑誌が、初めてコンテンツマーケティングとして、もっとも有名な成功事例といわれています。

「THE FURROW」は、自社ブランドの農機具を売り込むことはせず、農作物の育て方や、当時の最新テクノロジーの知識など、農民たちが事業に成功し、豊かになれること目的とした内容を掲載していました。自社商品を購入してもらうことを目的としつつも、広告などの売込みを控え、顧客が高い関心を寄せる事柄に徹して、信頼関係を構築し、最終的に自社の商材を選んでもらえるようにしたこの仕組みは、コンテンツマーケティングの真髄といえます。

そして今、デジタル時代に突入し、顧客自らが情報収集するなか、売り手の一方的なアプローチではなく、顧客視点に立ち、顧客に選んでもらえる、コンテンツマーケティングという手法が、BtoCであれ、BtoBであれ、有効なマーケティング手法として各企業から注目が集まっているわけです。

BtoBマーケティングの特徴

それではBtoB企業がコンテンツマーケティングを行うにあたり、何を意識しなければいけないのでしょうか。

まずはBtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いを考えてみます。

BtoBマーケティングはBtoCと比較した場合、以下のような特徴があげられます。

顧客になりうるターゲット像は限定的で、
個人ではなく、企業でとらえる必要があり、
検討期間が長期にわたる

BtoB企業の場合、自社の商材に合致したターゲット像が明確になっているケースが多いといえます。

どのような企業が、どのような状況で、自社の商材を求め、購入に至るのか、シナリオをいくつかのパターンに限定することができるのではないでしょうか。業界、状況、企業規模、購入に至るシナリオ等、これまで商材を購入した顧客から、共通点を抽出できると思います。その共通点を組み合わせると、顧客になりうるターゲット像は、限定的である場合が多いでしょう。

また、BtoBの場合、情報収集の担当者が自身の判断で衝動的に購入に至ることはなく、ターゲットの多くは、情報収集している担当者とは別に意思決定者が存在します。情報収集と相見積りをし、果たしてその商材を購入することで企業にどのくらいの利益が還元されるのか、組織のニーズに合致しているのか、同業他社と比較してどうなのか、複数人にわたる合理的な説明と判断のもと、意思決定に至るため、長期にわたる検討期間が必要になるのです。

BtoB企業に求められるポイント

コンテンツマーケティングでは、ターゲットが誰なのか、ターゲットは何に興味を持つのか、そしてどのように検討を進め、その過程でどんな情報を必要とするのかという行動パターンを把握し、顧客の属性やニーズに合致したコンテンツを最適なタイミングで提供するため、顧客を見極める必要があります。特にBtoBでは、自社の顧客になりえない人を集客してもほとんど意味がないので、ターゲットの見極めは特に重要です。

BtoBの場合、上記で話したように個人が衝動的に商品を購入するわけではありません。顧客像は個人ではなく、組織で捉え、どのような合議が行われ、決裁に至るのかを整理し、決裁フローや合議プロセスに合ったコンテンツを用意しておくことが望ましいでしょう。

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