周年事業研究員が語る周年事業ソリューション(3)
ふわっとさせずしっかり決める「ブランドコンセプトの設計」
- 2018年09月03日
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周年事業プロジェクトは「しらべる」「きめる」「つくる」「つたえる」の4つのフローを意識して進めると、成果を上げやすくなります。第2回まで「しらべる」のフローである「従業員意識調査」と「キーパーソンヒアリング」を紹介しました。調査やヒアリングから組織イメージのヒントとなる「言葉」を導き出すという内容でした。連載第3回は、「きめる」フローの「ブランドコンセプトの設計」について周年事業ラボの研究員に聞きました。
お答えする研究員
周年事業ラボ・コンサルタント
松﨑祥悟
- 「しらべる」のフローの後、「きめる」の段階では何を決めるのでしょうか。
- ブランドコンセプトを決めます。ちなみに、格好をつける、決めポーズを取るという意味の「きめる」ではありません。
- 誰も決めポーズは取らないと思います。具体的には何をするのですか。
- 従業員意識調査やキーパーソンヒアリング(「しらべる」フロー)から素材となる「言葉」を洗い出したら、それらを基にブランドコンセプトをつくります。5年後にどうなっていたいのか。従業員とキーパーソンの「言葉」から自組織のブランドコンセプトを導き出していきます。
- 「しらべる」のフローがあるから「きめる」のフローが成り立つのですね。周年事業のプロジェクトメンバーが心がけておくべきポイントを教えてください。
従業員意識調査もキーパーソンヒアリングも、ブランドコンセプトづくりのための素材拾いと考えられます。コンセプトづくりでしてはいけないのは、何となくふわっと決めることです。明確なしっかりしたコンセプトを決めておかないと、後の「つくる」のフローで効果的な制作物がつくれません。
周年事業のプロジェクトメンバーは、従業員やキーパーソンから多くの率直な言葉(素材)が出てくるように、事前に調査やヒアリングの意図を説明しておくとよいでしょう。「しらべる」のフローがしっかりできていると、「きめる」のフローでのブランドコンセプトづくりが楽になります。
- ブランドコンセプトをもう少し分かりやすく教えてください。ことわざで言うと何ですか。
そうですね……「名は体を表す」でしょうか。組織(体)の強みや目標を表す言葉(名)をきめる。言葉がうまく決まれば、従業員も経営層も同じ方向を目指して進んでいけます。
例えば、「しらべる」のフローで「先進性」「技術力」「環境」「挑戦」「スピード」「安全」といったいくつかの言葉が洗い出されたとします。これらの中から、組織が目指すべき姿を表す言葉として、「挑戦」「安全」を選びます。これがブランドコンセプトの核となる言葉です。
- 組織を方向付ける言葉を決めるのですね。「挑戦」「安全」と言われても、人によって受け取るイメージが違うのではありませんか。
核となる言葉を基にして、見たり聞いたりしたときにぱっと頭に入るメッセージを作成します。先ほどの例でいうと、「挑戦」と「安全」を組み合わせて、「セーフティ・チャレンジ・カンパニー」といったメッセージをつくります。安全向上に挑戦する組織を目指すと、社内、社外に伝えるのです。
具体的なメッセージが出来上がったら、名刺にメッセージを入れるなど、社内、社外ともに浸透させる施策を立てます。
次回は「未来年表づくり」のソリューションについて研究員に聞きます。
- 2018年09月03日
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