消費者のブランドイメージでYouTubeが初のトップ
トップ10入り初はLINEとスターバックス コーヒー
日経BPコンサルティング調べ「ブランド・ジャパン2020」調査結果発表

2020年3月27日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、今年で20年目を迎えるブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン 2020」の結果をまとめ、本日(2020年3月27日)、調査結果データをリリース・発売する。調査は2019年11月に実施され、調査回答者数は約6万人だった。

[ブランド力上位100のランキングは、表1をご覧ください ]

調査結果より

消費者のブランドイメージでYouTubeが初のトップ。トップ10入り初はLINE、スターバックス コーヒー

一般生活者編「総合力」ランキングでは、96.8ポイント(偏差値)を獲得したYouTubeが初の首位を獲得(表1)。第2位にはLINEが、第3位には無印良品が入った。トップ10の10ブランド中、5ブランドが入れ替わった。新たにトップ10入りしたのは、LINEのほか、パナソニック(第4位)、カップヌードル(第8位)、キユーピー(第9位)、スターバックス コーヒー(第10位)。このうち、LINEとスターバックス コーヒーは調査開始以来、初めてのトップ10入りとなった。

今回首位を獲得したYouTubeはブランド力を構成する要素の中で、イノベーティブ(革新性)とコンビニエント(利便性)への評価が高く、イノベーティブランキングでは1000ブランド中第2位で、コンビニエントランキングでも第2位となった(図1)。さらに今回、強みのイノベーティブ、コンビニエントに加えて、アウトスタンディング(卓越性)とフレンドリー(親近性)のスコア向上が首位の獲得に貢献した。アウトスタンディング向上の理由としては、2018年にリリースされた独自のコンテンツが楽しめる「YouTube Premium」と音楽配信サービスの「YouTube Music」の浸透が挙げられる。なおフレンドリーの1要素である、「共感、フィーリングが合う」のスコアが全ブランド中1位となった。

LINE(第2位)、無印良品(第3位)、パナソニック(第4位)が続く

第2位のLINEは前回第49位から大きく順位を上げた。メッセージングサービスでは国内の月間利用者数が8,100万人(2019年11月時点)を超えており、ニュースサービス、ゲーム、O2Oのクーポンサービス、決済サービス、旅行予約サービス、AIスピーカーのリリースなど一般生活者向けの事業展開において話題性の高い活動が続いた。その結果、「興味」「役に立つ、『使える』」「時代を切りひらいている」といった指標が向上した。無印良品(第3位)は2019年に銀座にホテル、レストラン、食品売り場といった複数業態を取り扱う旗艦店を開業し話題となった。また、2017年の発売以来問い合わせが多かった「無印良品の小屋」の販売エリアを2019年4月から沖縄県を除く46都道府県に拡大したり、2018年に話題となった冷凍食品のアイテム数を、2019年に50種以上に取り揃えた。これらの活動が「共感」「注目感」の前回からの維持と、「品質感」の向上につながったとみられる。パナソニック(第4位)は、ここ数年、美容家電の人気が続いており、2019年は「ヘアードライヤー ナノケア」がベストコスメをはじめ多くの賞を受賞した。また、同年メンズ美容家電でも「ラムダッシュ」が話題となった。そしてオリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーを継続しており、2019年4月からのチケットキャンペーンなどが好評を得ている。これにより、高い「興味」「好感」「品質感」「ステータス感」を維持しつつ、「共感」「スタイリッシュ」を向上させた。

表1 ■ブランド・ジャパン 2020の「総合力」ランキング 上位100ブランド
一般生活者編(一般生活者による評価)
順位 ブランド 総合力
(偏差値)
今回 前回 今回 前回
2020 2019 2020 2019
1 2 YouTube 96.8 91.8
2 49 LINE 90.8 69.7
3 4 MUJI
無印良品
82.2 85.3
4 11 Panasonic
パナソニック
81.5 80.0
5 3 NISSIN
日清食品
81.4 86.3
6 5 Google 80.7 83.7
7 1 Amazon
アマゾン
79.9 94.4
8 22 CUP NOODLE
カップヌードル
79.6 75.6
9 18 キユーピー 79.4 76.4
10 38 STARBUCKS
スターバックス コーヒー
78.9 71.8
11 15 STUDIO GHIBLI
スタジオジブリ
78.8 77.2
12 25 Apple
アップル
78.3 74.4
13 65 KFC
ケンタッキーフライドチキン
78.2 67.2
13 9 SUNTORY
サントリー
78.2 80.9
13 12 UNIQLO
ユニクロ
78.2 79.6
16 46 Coca-Cola
コカ・コーラ
78.1 70.5
17 29 LAWSON
ローソン
77.7 73.3
18 27 meiji
明治
77.2 73.9
19 36 Nintendo
任天堂
77.0 72.2
20 14 Disney
ディズニー
76.5 78.5
21 40 YAHOO! 76.4 71.3
22 8 DAISO
ダイソー
76.2 81.6
23 183 OLC
オリエンタルランド
75.9 59.0
24 53 Windows 75.6 69.2
25 19 7-ELEVEn
セブン-イレブン
75.2 76.3
26 39 CALPIS
カルピス
74.9 71.5
27 66 FamilyMart
ファミリーマート
74.5 67.0
28 60 TOTO 74.3 68.0
29 17 Häagen-Dazs
ハーゲンダッツ
73.9 76.9
30 63 McDonald's
マクドナルド
73.4 67.5
31 71 楽天カード 73.2 66.1
32 64 adidas
アディダス
73.0 67.4
33 88 Seria
セリア
72.5 64.4
34 69 NIKE
ナイキ
72.0 66.2
35 42 AJINOMOTO
味の素
71.8 71.1
36 31 AEON
イオン
71.7 72.8
37 10 Rakuten
楽天市場
71.3 80.8
38 41 AEON MALL
イオンモール
71.2 71.2
38 13 USJ
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
71.2 79.1
40 57 丸亀製麺 70.7 68.2
41 15 SONY
ソニー
70.6 77.2
41 67 MITSUYA CIDER
三ツ矢サイダー
70.6 66.5
43 80 KALDI COFFEE FARM
カルディコーヒーファーム
70.2 65.2
44 43 KAGOME
カゴメ
70.1 71.0
45 23 House
ハウス食品
70.0 75.3
46 19 Calbee
カルビー
69.9 76.3
47 47 dyson
ダイソン
69.8 70.3
48 118 東洋水産
(マルちゃん)
69.6 62.3
49 33 Mister Donut
ミスタードーナツ
69.4 72.4
50 197 アサヒ飲料 69.2 58.4
51 7 ニトリ 68.9 81.7
52 159 ガリガリ君 68.8 59.8
53 90 餃子の王将 68.6 64.3
54 73 kikkoman
キッコーマン
68.2 66.0
54 105 キリン一番搾り 68.2 63.1
56 34 iPhone 67.8 72.3
57 86 Asahi
アサヒビール
67.7 64.5
58 37 スシロー 67.6 72.1
58 31 ヤマザキパン 67.6 72.8
60 77 Canon
キヤノン
67.3 65.7
61 57 Kao
花王
67.2 68.2
62 102 Nestlé
ネスレ
67.1 63.2
63 95 LION
ライオン(家庭用品)
66.9 63.8
64 55 ITOEN
伊藤園
66.8 69.0
64 133 KOIKEYA
湖池屋
66.8 61.1
64 45 テレビ東京 66.8 70.8
67 86 亀田製菓 66.5 64.5
68 6 TOYOTA
トヨタ自動車
66.4 82.3
68 246 VISA 66.4 56.1
68 74 BOURBON
ブルボン
66.4 65.9
68 54 mizkan
ミツカン
66.4 69.1
72 74 glico
江崎グリコ
66.3 65.9
72 111 じゃがりこ 66.3 62.8
72 49 HONDA
ホンダ
66.3 69.7
75 99 SHARP
シャープ
66.2 63.4
76 185 KOKUYO
コクヨ
66.1 58.9
77 25 HEATTECH
ヒートテック
66.0 74.4
78 71 AQUARIUS
アクエリアス
65.9 66.1
78 34 MORINAGA
森永製菓
65.9 72.3
80 - Yahoo!ショッピング 65.5 -
81 49 チキンラーメン 65.3 69.7
81 - PayPay 65.3 -
81 116 POCARI SWEAT
ポカリスエット
65.3 62.4
84 21 セブン&アイ・ホールディングス 65.1 76.1
84 93 Tカード 65.1 64.0
86 167 ガスト 65.0 59.6
86 97 NESCAFÉ
ネスカフェ
65.0 63.6
86 154 HITACHI
日立製作所
65.0 59.9
86 28 Microsoft
マイクロソフト
65.0 73.4
90 94 TOPVALU
トップバリュ
64.8 63.9
91 142 Nintendo Switch
ニンテンドースイッチ
64.6 60.5
92 171 爽健美茶 64.5 59.4
92 198 YAMAHA
ヤマハ
64.5 58.3
94 194 JAL
日本航空
64.4 58.6
95 135 TOSHIBA
東芝
64.3 61.0
95 124 Yakult
ヤクルト
64.3 61.8
97 317 CoCo壱番屋 64.2 53.6
97 59 ドン・キホーテ 64.2 68.1
99 171 エバラ食品 64.1 59.4
100 109 TANITA
タニタ
64.0 62.9

注)一般生活者編では、企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象とし、一般生活者が評価した。
「フレンドリー」「コンビニエント」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」という4指標から総合力を算出。
ブランド・ジャパン 2019のデータがないものは、「-」と表記。

図1■一般生活者編:「YouTube」4因子スコア(偏差値) クリックで拡大

ブランド力が上昇したトップ3はLINE、オリエンタルランド、ケンタッキーフライドチキン

今回、総合力が最も伸びたのはLINE(表2)。次いで、新アトラクションの「ソアリン」が話題となったオリエンタルランド。さらに、2019年3月期で、売上高、営業利益ともに好調だったケンタッキーフライドチキンが続く。

総合力ランキングと上昇ランキングの上位では、デジタルを活用し、生活者に寄り添うブランドの活躍が目立った。今後も、生活者の視点に基づき、体験をデザインすることがブランド力向上において重要になっていくのではないだろうか。

(石原 和仁=日経BPコンサルティング ブランド・ジャパン プロジェクトマネージャー)

表2 ■ブランド・ジャパン 2020の「総合力」上昇ランキング 上位50ブランド
一般生活者編(一般生活者による評価)
上位順位 順位 ブランド 総合力の
前回差分
(偏差値)
今回 前回
2020 2019
1 2 49 LINE 21.1
2 23 183 OLC
オリエンタルランド
16.9
3 13 65 KFC
ケンタッキーフライドチキン
11.0
4 50 197 アサヒ飲料 10.8
5 97 317 CoCo壱番屋 10.6
6 68 246 VISA 10.3
7 296 671 Coleman
コールマン
10.1
8 112 320 TAKARA TOMY
タカラトミー
9.8
9 52 159 ガリガリ君 9.0
10 248 527 NTT Communications
NTTコミュニケーションズ
8.7
11 278 563 Paul Smith
ポール・スミス
8.4
12 572 942 Spotify
スポティファイ
8.3
13 421 776 沢井製薬 8.2
14 33 88 Seria
セリア
8.1
15 349 662 Hankyu
阪急電鉄
8.0
16 150 328 AsahiKASEI
旭化成
7.6
16 16 46 Coca-Cola
コカ・コーラ
7.6
16 290 545 REGAL
リーガル
7.6
19 144 320 SUBARU
スバル
7.5
19 27 66 FamilyMart
ファミリーマート
7.5
21 218 420 SEIYU
西友
7.3
21 48 118 東洋水産
(マルちゃん)
7.3
23 76 185 KOKUYO
コクヨ
7.2
24 10 38 STARBUCKS
スターバックス コーヒー
7.1
24 31 71 楽天カード 7.1
26 148 310 NISSAN
日産自動車
7.0
26 144 305 LAWSON STORE 100
ローソンストア100
7.0
28 115 241 CalorieMate
カロリーメイト
6.9
28 151 312 紀伊國屋書店 6.9
28 673 966 PayPal 6.9
31 298 527 20th CENTURY FOX
20世紀フォックス
6.8
32 239 427 welcia
ウエルシア薬局
6.7
32 151 305 PILOT
パイロット
6.7
34 282 489 Audi
アウディ
6.6
34 122 250 DAIKIN
ダイキン工業
6.6
36 330 566 mont-bell
モンベル
6.5
37 24 53 Windows 6.4
38 28 60 TOTO 6.3
39 255 436 MUFG
三菱UFJ銀行
6.2
39 92 198 YAMAHA
ヤマハ
6.2
41 431 682 ISUZU
いすゞ自動車
6.1
41 159 295 Sanrio
サンリオ
6.1
41 201 356 BATHCLIN
バスクリン
6.1
44 133 241 KDDI 5.9
44 309 497 KONAMI
コナミ
5.9
44 30 63 McDonald's
マクドナルド
5.9
47 592 878 EVE
イブ
5.8
47 34 69 NIKE
ナイキ
5.8
47 94 194 JAL
日本航空
5.8
47 426 663 RICOH
リコー
5.8

注)一般生活者編では、企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象とし、一般生活者が評価した。
「フレンドリー」「コンビニエント」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」という4指標から総合力を算出。

  • ■ブランド・ジャパン
    国内で使用されているブランドを一般生活者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大規模のブランド価値評価調査プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今回が20回目。一般生活者編では企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「フレンドリー(親近性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」という4指標を採用した。
    ビジネス・パーソン編では500の企業ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」を採用した。
    調査概要は、別紙の「調査の構成と概要」と「特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会」を参照。
    「ブランド・ジャパン」詳細ページ
  • ■日経BPコンサルティング
    日経BP社全額出資のコンサルティング、コンテンツ関連、デジタル関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)
その他の資料

調査の構成と概要

特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会

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株式会社日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
石原 和仁
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