Webサイトのブランド力、一般企業編で「サントリー」「アサヒビール」ら総合飲料メーカーが上位占める
- 日経BPコンサルティング調べ「Webブランド調査2015-春夏」 -
2015年06月29日
日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2015-春夏」の結果をまとめた。リニューアルの効果や製品への関心、企業の好感度への影響を明らかにするもので、2015年6月26日に調査報告書を発行・発売した。
調査結果のポイント
■ インターネット専業企業を除く一般企業サイトランキングで、「サントリー」「アサヒビール」「キリン」の総合飲料メーカーがトップ3独占
第1位「サントリー」は、会員ページの利用、クチコミが伸びた。「アサヒビール」はサイト改訂でユーザビリティ急上昇、製品への関心、企業の好感度もアップ。
■ スコア上昇ランキング上位は、「アイ・オー・データ機器」「NEXCO 中日本」「NEC」
第1位「アイ・オー・データ機器」は、サイトを見て製品への関心が高まる。第2位「NEXCO 中日本」は、トップページでのサービス案内押し出しが影響。第3位にサイトリニューアルした「NEC」。宇宙開発コンテンツなど注目が集まる。
■ 総合ランキングは、「Yahoo! JAPAN」が第1位、「楽天市場」と首位交代
会員ページが活性化した「サントリー」、リニューアルで製品・企業に注目が集まった「アサヒビール」
インターネット専業企業を除く一般企業443サイトの「Webブランド指数」トップ3には、総合飲料メーカーが揃った(表1)。
「サントリー」は、3年前の「2012-春夏」調査以来、7回連続で一般企業サイト首位となった。今回は、会員ページやキャンペーン利用が増え、「コンバージョン」が上昇。サイトの内容のクチコミも増加し、「波及効果」も伸びた(図1)。サントリーは3月から4月、サイト上で新製品「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」を15万人にプレゼントするキャンペーンを実施。製品の話題性も相まって、行動を誘発したようだ。
第2位の「アサヒビール」は今回、トップページを大幅にリニューアルした。会員サイト「アサヒパーク」やキャンペーン情報、お酒を楽しむコンテンツ、ソフトドリンクはじめ関連会社の製品カテゴリーなどを、製品や食卓の写真で紹介。この結果、製品への関心や購入意向、企業への好感が上昇。サイトの使いやすさを示す「サイト・ユーザビリティ」とともに、「態度変容」の評価が高まった(図2)。
製品の魅力を伝えた「アイ・オー・データ機器」、サービス案内と企業の方針を出し分ける「NEXCO 中日本」、「NEC」は宇宙開発コンテンツに支持
スコア上昇幅(表2)が最も大きかった「アイ・オー・データ機器」は、前回よりトップページの構成に大きな変化はないが、製品への関心や購入意向が高まり、「態度変容」が急上昇(図3)。トップページ上部でスティック型PCなど特徴ある製品を紹介。簡潔なキャッチコピーが関心を高めたとみられる。
「NEXCO中日本」も、サイトの大きな変更はないが、「サイト・ユーザビリティ」「態度変容」が上昇(図4)。サービスへの関心が高まった。トップページで提示する情報を変えたためである。前回調査、2014年10月には、笹子トンネル事故に寄せて企業の取り組みを、今回調査、2015年4月には、大型連休前にサービス案内を押し出した。
「NEC」は、今回、トップページの構成を変更して、「サイト・ユーザビリティ」「態度変容」が上昇(図5)。ページ上部で「はやぶさ2」の画像を提示した影響か、再来訪理由に宇宙開発ページが挙がっている。
「Yahoo! JAPAN」が総合ランキング首位に返り咲き、店舗での購入誘発で「楽天市場」を追撃
調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは「Yahoo! JAPAN」。第2位は前回第1位の「楽天市場」である(表3)。
「Yahoo! JAPAN」は今回、「サイト・ユーザビリティ」「波及効果」でスコアが上昇した。特に「店舗などで製品・サービスを購入」との回答が増えている。第2位の「楽天市場」は、同項目の回答が減り、「Yahoo! JAPAN」にトップの座を譲った。
今回の調査では、画像やキャッチコピーなど表現の工夫で、製品や企業の魅力を伝えたサイトの急進が目立った。サイトの情報で関心が増し、購入意向につながったケースもある。企業のマーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認して、顧客接点の改善や強化にお役立ていただきたい。
(大友直子=日経BPコンサルティング コンサルタント)
「Webブランド調査」とは
企業や団体が運営する日本の主要500サイトについて、「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ(Webサイトの使いやすさ)」「コンバージョン(会員登録や商品購入などサイト内で実際に行われた行動)」「サイト・ロイヤルティ(Webサイトへの意識やリピート意向)」「態度変容(サイト運営者のイメージや購入意向への影響)」「波及効果(Webサイト以外での行動誘発)」の6つの要素をインターネットユーザーが評価。半年ごとに実施し、回答者は毎回3万人以上。今回の調査期間は2015年4月8日~20日、有効回答数は35,820サンプル。
日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)
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