企業広報調査レポート

変わる広報、変わる企業サイト コーポレートブランディングの「今」

2017.04.21

ブランディング

  • チーフコンサルタント 松井 一郎

PART-3 コーポレートブランディングへの取り組み
高まっていく関心に対し戦略立案や設計など「出発点」で立ち止まる担当者の姿が浮き彫りに

(1)コーポレートブランディングの担当部署や担当者の有無

今はまだ「ブランディング黎明期」 専門部署がある企業は全体の1割

コーポレートブランディングに対する取り組みは、多くの企業で「まだこれから」という状況であることが明らかだ。「専門部署がある」は10.3%にとどまり、「コーポレートブランディングを任務としている組織や担当はない」が半数を超えた。

【質問】
コーポレートブランディングを担当する専門組織(ブランド戦略室等)があったり、担当者がいますか(1つだけ)
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(2)コーポレートブランディングの担当部署

現状は「経営企画と広報が進めている」理想は「全社で進めていくべきもの」

現時点では、経営企画が戦略を立案し、広報が醸成や浸透、管理まで行っているというのが、広報担当者一般の考え方のようだ。「今後より強く関与すべき部署」の結果からは、様々な部署で、より強く関与すべきだと考えている様子がうかがえる。特に経営企画部門の戦略立案への関与などで伸びが大きいのが、その証左だ。

【質問】
コーポレートブランディングに関する事柄は、(A)現在、どの部署が担当していますか。
(B)今後は、どの部署がより強く関与すべきだと思いますか(それぞれいくつでも)
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(3)コーポレートブランディングのための利用手段

ますます高まるコーポレートサイトの重要性

コーポレートブランドの社外における醸成手段としては、「自社のWebサイト」が75.5%で「従来メディア」の68.6%を上回った。「メディアヘの企業広告」は49.1%で3番手、次いで「SNS」(40.9%)という結果だ。「社内の浸透」も「自社のWebサイト」が40.0%と、イントラネットの約半分に迫った。ブランディング手段としてのWebの存在感が大きくなっている。

【質問】
御社のコーポレートブランディングに関して、(A)社外での醸成、(B)社内の浸透においては、
今後、どのような手段を利用するのが効果的だと思いますか(それぞれいくつでも)
コーポレートブランディングのための利用手段

(4)コーポレートブランディングにおける課題

効果測定への悩みも大きいが、「出発点でのつまずき」が最大の悩み

「全体の戦略立案や設計が難しい」が53.8%で最多。2番目以降に20ポイントの差を付けた。ブランディングは“出発点”で苦労している企業が多いようだ。「適切な成果の測定方法が分からない」が33.4%で2番目。「担当者が多忙で手が回っていない」も30.4%で3番目と続く。

【質問】
御社のコーポレートブランディングに関して、感じている課題をお聞かせください(いくつでも)
コーポレートブランディングにおける課題

特集:企業広報調査レポート

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ブランディングの重要性が増し、広報活動の最大の目的に

松井 一郎

チーフコンサルタント
松井 一郎

1992年京都大学大学院理学研究科修了。同年日経BP社に入社。日経コンピュータ編集部にてICT分野の取材・記事執筆を行う。コンサルティング局マーケット予測部を経て、同局の別会社化に伴い日経BPコンサルティングに出向。2013年より現職。ICT業界を中心に、マーケティングコミュニケーション領域のコンサルティング、調査、制作支援などを多数担当。日経コンピュータ顧客満足度調査をはじめ記事執筆なども手がける。

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