小口(こぐち)・ノドは、本や冊子の部位の名称。製本した際の断裁面のことを小口、それに対して製本の綴じる側をノドと呼ぶ。さらに、ページの順序を示す数字をノンブル、そして版面(文章や図版をレイアウトする領域のこと)の外の余白に各ページ統一でいれる書名・章名などを柱と呼ぶ。
図のように、見開きの状態では、両サイドが小口(外側)のアキ、その逆で中心部分(内側)がノドのアキとなります。
余白の取り方は、デザイナーの腕の見せどころ
しかし、何十ページにもなる中綴じや無線綴じ(背の部分を糊で固めて綴じる方法)であれば、断裁時の用紙ズレやノドの食い込みを考えて、適したアキを設定する必要があります。
この “アキ”の取り方は、デザイナーにとって腕の見せどころでもあります。小口を広く空けてあえて中央にテキストを寄せたり、逆にノド側を大きく空けるバランスにしたりと、いろいろなデザイン表現が可能です。もちろん、見た目のデザインだけではなく、綴じ方や文字の読みやすさを考えた設計が大切です。
さらに、ノンブル(nombre=フランス語、ページ番号とも呼びます)や柱が必要な場合は、そのレイアウト位置も考えた誌面設計が必要です。デザイナーから提案されたフォーマットデザインは、こういった広い視点でのチェックが重要なのです。
企画出版本部第一部
天田 幸子