調査データ帝国データバンク、100年企業の実態調査発表
2019年に業歴100年を迎える企業1685社
- 文=里見渉
- 2019年04月09日
- Tweet
帝国データバンクは今年1月、「老舗企業」の実態調査(2019年)結果を発表した。それによると、2019年中に業歴100年となる企業を含めた「老舗企業」は、全国に3万3259社存在し、うち2019年に業歴100年を迎える企業は1685社だと分かった。
同社が3年前の2016年に行った調査では、100年企業は2万8972社だった。この3年間で4287社も増えている。100年前の大正5年(1916年)以降に設立した企業が多かったことがうかがえる。
業種別にみると、最も社数が多かったのは「製造業」の8344社(構成比25.1%)で、次いで「小売業」(7782社、同23.4%)、「卸売業」(7359社、同22.1%)と続き、この3業種で老舗企業全体の約7割を占めている。
さらに業種を細分類別にみると「貸事務所」(894社)がトップになっているが、これは「創業時は別事業を主業としていた企業が、所有する土地にオフィスビルなどを建てて賃料収入が増加し、貸事務所業へと業種が変わったケースが多い」と同社は分析している。
2位は「清酒製造」(801社)で、その他「旅館・ホテル」(618社)や「酒小売」(611社)、「呉服・服地小売」(568社)、「婦人・子供服小売」(535社)などBtoC関連の業種が上位を占めている。
年商規模別にみると、老舗企業数が最も多かったのは「1億円未満」(1万3786社)で、「1億~10億円未満」(1万2986社)がこれに続く。老舗企業出現率では「1億円未満」が1.69%となった一方、「500億円以上」が15.05%と最も高い結果となった。年商規模が大きい企業では老舗企業の割合が高い。
都道府県別にみると、社数では東京都(3363社)がトップ。老舗企業出現率が最も高かったのは「京都府」の4.73%。京都府は伝統工芸を守り育てる土壌があり、呉服を扱う企業や寺社仏閣の改築を手がける老舗企業の存続に大きく寄与した。次いで「山形県」(4.68%)、「新潟県」(4.29%)、「島根県」(4.03%)などの「酒どころ」が上位に入った。
同調査は、帝国データバンクが2018年11月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)に収録されている老舗企業(個人経営、特殊法人などを含む)を抽出し、業種別、年商規模別、都道府県別に集計、分析した。
- 2019年04月09日
- Tweet
あわせて読みたい
連載記事
- (1)95年以上の老舗上場企業、2019年まで数のピーク
- (2)2019年に業歴100年を迎える企業1685社
- (3)世界の長寿企業ランキング、創業100年、200年の企業数で日本が1位
- (4)創業年数70年で線引きされるコロナ禍への対応
- (5)コロナ対応が変化。100年企業はブランディング強化へ
- (6)世界の長寿企業ランキング。創業100年企業、日本企業が50%を占める
情報を受け取る
- 本サイトのコラム更新情報や調査データや分析結果を受け取ることができます。登録は無料です。
-
- ・関連セミナー情報
- ・企業研究・サバイバル分析報告
- ・調査データ
- ・周年事業関連情報
- など、豊富な関連情報をメールでお届けします。