Webサイトのブランド力、総合編は前回に続き「楽天市場」が首位を獲得
一般企業サイト編は、「ファミリーマート」が初のトップ
「ヤマト運輸」「マクドナルド公式サイト」が続く
日経BPコンサルティング調べ 「Webブランド調査2024-秋冬」

2024年12月20日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2024-秋冬」の結果をまとめた。Webサイトのリニューアル効果や製品への関心、企業の好感度への影響等を明らかにするもので、2024年12月20日に調査報告書を発行・発売した。報告書は年に2度発行している(「春夏編」「秋冬編」)。

調査結果のポイント

  • ●総合ランキングTOP3は前回と同じく「楽天市場」「Yahoo! JAPAN」「Google」
  • ●一般企業編(インターネット専業企業を除く)では、「ファミリーマート」が初の首位となった。第2位は「ヤマト運輸」、第3位は「マクドナルド公式サイト」
  • ●企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」は「トヨタ自動車」※1がトップ。第2位は「大塚製薬」、第3位は同率で「トヨタ自動車 公式企業サイト」「富士フイルムビジネスイノベーション」

※1:「トヨタ自動車」サイトは商品情報サイト、「トヨタ自動車 公式企業サイト」は企業情報サイト。本調査ではそれぞれを調査対象としている。

総合ランキングのTOP3は「楽天市場」「Yahoo! JAPAN」「Google」で、前回と同じ顔ぶれとなる

調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは、前回調査と同様「楽天市場」だった。第2位は「Yahoo! JAPAN」、第3位は「Google」となった。TOP5まで前回と同じ顔ぶれとなった(図表1。)。

第1位の「楽天市場」は、Webブランド指数(WBI:Web Brand Index)が前回(2024-春夏)の118.0ポイントから7.3ポイント減の110.7ポイントとなった。WBIを構成する6つの個別評価指標※2のうち、5つの指標が低下したものの、500サイト内では高評価を維持している。特にサイト接触により行われた行動を測定する「行動喚起」においては、167.5ポイントの極めて高い評価を獲得し、全500サイト中で第1位となった。キャンペーンやポイントサービスへの関心が高く、消費者の生活に密着した役に立つショッピングサイトとして高い評価を得ている。

※2:WBIは、「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」「行動喚起」の6つの個別評価指標で構成している。なお、「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」は、それぞれサイト接触による製品・サービス、企業活動(事業活動・技術や取り組み)への意識変化を測定する指標となる。

一般企業サイト編は、「ファミリーマート」が初のトップ。第2位は「ヤマト運輸」、第3位は「マクドナルド公式サイト」

一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「ファミリーマート」「ヤマト運輸」「マクドナルド公式サイト」となった(図表2。

「ファミリーマート」はWBIが78.0ポイントで、前回の67.2ポイントから10.8ポイント増。6つの個別評価指標すべてでスコアが上昇した(図表3)。「サイト・ユーザビリティ」が78.2ポイント、「態度変容:製品・サービス」が74.9ポイントと、それぞれ高い評価を獲得している。自由意見では、好印象を持ったコンテンツとして、新商品情報やキャンペーンに関する記述が多く見られた。

第2位の「ヤマト運輸」も6つの個別指標すべての評価が前回を上回る(図表4)。中でも、サイトイメージを測る「サイト・ロイヤルティ」は85.2ポイントで、500サイト中5番目のスコアを獲得した。また、自由意見では荷物の発送、受取に関わるサービスに対する利便性の評価が高かった。さらに、EV(電気自動車)導入など「カーボンニュートラル配送」の情報に対する関心の高さもうかがえる。

第3位の「マクドナルド公式サイト」は、「行動喚起」と「サイト・ロイヤルティ」のスコアが前回を上回った。サイト上の期間限定商品やクーポンなどの情報発信が、購入につながっていると見られる。

スコア上昇サイトは、「カルピス」「マネックス証券」「ワークマン公式サイト」がトップ3

前回から今回にかけてスコアが大きく上昇したサイトのトップ3は「カルピス」「マネックス証券」「ワークマン公式サイト」となった(図表5)。「カルピス」は前回(第250位)から14.3ポイント増の62.5ポイントで第46位となった。また、「マネックス証券」は前回(第491位)から12.1ポイント増の47.6ポイントで第275位、「ワークマン公式サイト」は前回(第255位)から12.1ポイント増の60.2ポイント(第66位)となった。

「カルピス」はWBIを構成する6つの個別指標全て前回を上回った。トップページは前回から大きく変わっていないものの、「態度変容:企業活動」のスコアが前回から20.1ポイント増の65.0ポイント、また「行動喚起」のスコアが前回から14.0ポイント増の57.1ポイントと、それぞれ上昇した。

「マネックス証券」についても、6つの指標全てでスコアが上昇しWBIを押し上げた。特に「態度変容:企業活動」や「サイト・ユーザビリティ」の上昇幅が大きい。自由意見では、サイトデザインの見やすさや投資初心者向けのコンテンツへの評価が高い結果となった。

「ワークマン公式サイト」も6つの指標とも前回を上回り、特に「態度変容:企業活動」の上昇が目立った。好印象を持ったコンテンツに関する自由意見では、商品情報だけではなく、サステナビリティの取り組みへの言及が見られた。

企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」TOP3は、「トヨタ自動車」「大塚製薬」「トヨタ自動車 公式企業サイト」「富士フイルムビジネスイノベーション」

Webブランド調査のノミネートサイトにおいては、サステナビリティや社会貢献活動など、企業としてのさまざまな取り組みの発信を強化するサイトが増加している。本調査で企業活動訴求の評価指標となる「態度変容:企業活動」で高いスコアを獲得したサイトを見ると、第1位が「トヨタ自動車」、第2位は「大塚製薬」、第3位は同率で「トヨタ自動車 公式企業サイト」「富士フイルムビジネスイノベーション」となった(図表6)。

「トヨタ自動車」「トヨタ自動車 公式企業サイト」はそれぞれ商品情報サイト、企業情報サイトとなるが、いずれも企業活動訴求について高評価を獲得した。企業の取り組みに関する情報発信だけでなく、消費者のカーライフをサポートするコンテンツの提供なども企業に対する好感に影響していると考えられる。また、「大塚製薬」は研究開発のコンテンツへの関心が高く、社員へのインタビューなどを通じて研究内容や製品に対する思いが伝わるサイトとして、高評価を得ている。

近年の企業サイトにおけるサイトリニューアルの傾向として、IR・サステナビリティ・採用など企業情報の拡充、企業らしさの伝わるストーリーやメッセージ発信の強化を図るサイトが多く見られる。その中で、一般生活者の評価としても、企業のこれらの取り組みに対して関心度が高まっている状況と考えられる。

企業サイトの情報発信が変わっていく中で、一般生活者のサイトの見方や評価も今後一層、変化していく可能性がある。マーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認し、顧客接点の改善やブランド力の強化に、ぜひ役立ていただきたい。

図表1 Webブランド指数 総合ランキング トップ50
今回順位 前回順位 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2024-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 1 楽天市場 110.7 -7.3
2 2 Yahoo! JAPAN 105.3 -1.7
3 3 Google 98.6 -4.4
4 4 Amazon 96.8 -4.2
5 5 YouTube 91.2 -5.4
6 24 ファミリーマート 78.0 10.8
7 22 ヤマト運輸 76.9 9.6
8 6 マクドナルド公式サイト 76.5 -4.9
9 10 楽天トラベル 76.0 5.0
10 7 楽天カード 74.8 1.9
11 27 楽天銀行 74.4 8.5
12 50 サントリーホールディングス 72.1 9.8
13 11 Yahoo!ショッピング 71.6 0.7
14 41 ユニクロ公式オンラインストア 71.0 7.0
15 57 エバラ食品 69.7 8.6
16 20 Wikipedia 69.5 2.0
17 30 アサヒ飲料 68.8 3.4
17 8 キユーピー 商品サイト 68.8 -3.4
19 30 ヨドバシ.com 68.1 2.7
20 46 キッコーマン 68.0 5.3
20 13 セブン-イレブン 68.0 -2.7
22 34 【ウェザーニュース】天気 - 台風・地震・防災情報 67.9 3.1
23 92 トヨタ自動車 67.6 10.4
24 53 Apple 66.9 5.3
24 34 キリン 66.9 2.1
26 11 クックパッド 66.7 -4.2
27 114 ぐるなび 66.6 11.4
28 45 じゃらんnet 66.3 3.3
29 25 ケンタッキーフライドチキン 66.0 -0.9
30 60 丸亀製麺 65.8 5.1
31 17 味の素 65.7 -2.9
31 14 無印良品 65.7 -4.9
33 19 ニトリネット 65.6 -2.1
34 51 S&B エスビー食品 65.2 3.1
35 43 日本郵便 64.9 1.6
36 33 パナソニック商品情報 64.7 -0.2
37 42 東洋水産 64.5 0.7
37 15 ローソン 64.5 -5.2
39 145 ANA 64.1 10.8
39 53 任天堂 64.1 2.5
41 43 ハウス食品 64.0 0.7
42 20 メルカリ 63.4 -4.1
43 70 ニトリ公式企業サイト 62.8 2.9
44 38 吉野家 62.7 -1.5
45 26 食べログ 62.6 -4.0
46 250 カルピス 62.5 14.3
46 93 明治 62.5 5.4
48 22 山崎製パン 62.4 -4.9
49 9 カゴメ 62.2 -9.7
50 196 大塚製薬 61.9 11.8

※ランキング表中のサイト名表記は、トップページのタイトルによるサイトの正式名称。

図表2 【一般企業編(ネット専業企業除く)】
Webブランド指数ランキング トップ10
一般企業内順位 全体順位 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2024-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 6 ファミリーマート 78.0 10.8
2 7 ヤマト運輸 76.9 9.6
3 8 マクドナルド公式サイト 76.5 -4.9
4 12 サントリーホールディングス 72.1 9.8
5 14 ユニクロ公式オンラインストア 71.0 7.0
6 15 エバラ食品 69.7 8.6
7 17 アサヒ飲料 68.8 3.4
7 17 キユーピー 商品サイト 68.8 -3.4
9 19 ヨドバシ.com 68.1 2.7
10 20 キッコーマン 68.0 5.3
10 20 セブン-イレブン 68.0 -2.7
  • 図表3「ファミリーマート」のスコアチャート
    図表3「ファミリーマート」のスコアチャート
  • 図表4「ヤマト運輸」のスコアチャート
    図表「ヤマト運輸」のスコアチャート
図表5 Webブランド指数 スコア上昇ランキング トップ10
上昇順 今回順位 前回順位 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2024-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 46 250 カルピス 62.5 14.3
2 275 491 マネックス証券 47.6 12.1
2 66 255 ワークマン公式サイト 60.2 12.1
4 168 440 第一三共 52.5 12.0
5 51 202 ネスレ日本製品情報サイト 61.8 11.9
6 50 196 大塚製薬 61.9 11.8
7 151 416 東京電力エナジーパートナー 53.3 11.7
8 27 114 ぐるなび 66.6 11.4
8 55 200 JR西日本 61.4 11.4
10 130 383 富士フイルムビジネスイノベーション 54.5 11.2
図表6 態度変容:企業活動スコア ランキング トップ10
今回順位 前回順位 サイト名 態度変容:企業活動スコア
2024-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 75 トヨタ自動車 90.4 31.4
2 112 大塚製薬 82.8 26.8
3 2 トヨタ自動車 公式企業サイト 78.0 -9.2
3 94 富士フイルムビジネスイノベーション 78.0 20.5
5 75 コニカミノルタ 77.4 18.4
6 9 住友林業 76.9 -1.3
7 125 Apple 75.8 20.8
7 31 塩野義製薬 75.8 9.2
7 10 富士フイルム 75.8 -0.3
10 366 三菱自動車 75.3 32.9
10 272 LIXIL 75.3 27.9
■Webブランド調査について
(URL:https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/web-brand/
  • 調査目的:

    Webサイトのブランド力を測定し、企業や団体のWebにおけるブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する

  • 調査手法:

    インターネット調査

  • 調査対象:

    全国、20歳以上のインターネット・ユーザー(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)

  • 有効回答数:

    36,962件

  • 調査対象ブランド:

    企業や団体が運営する日本の主要500サイト

  • 調査実施期間:

    2024年10月11日(金)~2024年10月21日(月)
    ※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)

  • 調査企画・実施:

    株式会社日経BPコンサルティング

日経BPコンサルティング:日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
担当:池田 梨子
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