ウィズコロナの健康意識 【2】

信頼できる健康情報とは?専門家の監修者や出典の有無が判断ポイントに

2021.05.21

"ニューノーマル時代"のヘルスケア

  • コンテンツ本部医療&健康コンテンツチーム

新型コロナウイルス感染は収まるどころか、変異型ウイルスが発生するなど先の見えない状況が続いています。感染対策のためにも普段から自分の健康状態を意識する人が増えてきたようです。テレビや新聞、インターネットなど、さまざまなメディアで健康情報を取り上げることも多くなる一方で、目新しさや面白さだけではなく、正確性や客観性を持った情報がこれまで以上に求められています。 調査概要
実施日:2020年8月7日
対象:インターネット調査会社の調査モニター
回収数:557人(男女×5世代)

新型コロナウイルスをきっかけに健康情報が気になり始めた

健康法や体に関すること、病気や治療・予防などの情報を、普段どれくらい見ているのでしょうか。「見ている」「コロナ拡大以降に見るようになった」を合わせると60.5%と、多くの人が健康情報への関心度が高いことが分かります。「以前からよく見ており、新型コロナウイルス感染拡大後も変わらない」人は28%で、「以前からよく見ており、感染拡大をきっかけに一層見るようになった」人(19%)と「感染拡大をきっかけに見るようになった」人(13.5%)を合わせると32.5%という数値がでました。新型コロナウイルス感染拡大が、健康情報への興味・関心を高めていることが分かります。

これまでも健康情報は、特に中高年以上に関心が高いコンテンツでしたが、「新型コロナウイルス感染拡大をきっかけ」に見るようになったと回答したのは29歳以下が最も多く、20.2%でした。新型コロナウイルスが若い世代の意識に影響を与えたことが改めて分かります。

「健康情報はあまり見ない」「関心がない」という層は36.1%という結果でした。女性よりも男性の方が多く、30代男性で42%、40代男性で50%と、特に働き盛りの層に高い数字がでています。

身近な情報源はインターネットとテレビ

では、健康情報はどこから得ているのでしょうか。

やはり、インターネット(キーワード検索)からという回答が最も多く(40.4%)、次いでテレビ(33.2%)と身近なツールやメディアがあがってきました。インターネットは自ら検索してほしい情報が得られる利便性があること、テレビでは多くのニュースや情報番組で新型コロナウイルスを取り上げていることも関係していると思われます。

インターネットの情報だからこそ信頼性をチェック

大量の情報であふれているインターネットだからこそ、その情報が信頼できるかどうかをしっかり判断したいところです。そこで、インターネットで情報を得る際に、どんな点に意識しているかを聞いてみました。

発信元が信用できるか(66.0%)、医師や専門家が監修しているか(44.2%)、エビデンス(証拠や根拠)が示されているか(44.2%)など、専門性が担保されているかどうかで判断している人が多いようです。また、情報が書かれた時期(37.9%)にも高い結果が現れました。情報が最新かどうかも重要な判断基準となります。内容の分かりやすさ(48.5%)にも高い数値がでています。一方、「いいね」の数や「コメント欄の記入」などに対する数値は低いものでした。

医療機関のサイトや専門家の監修がある記事に高い信頼が

健康情報の信頼性は、誰が発信、もしくは監修しているかが、参考になります。

専門機関である医療機関の公式サイトでは信頼性は62.9%、製薬会社では54.3%と高く、「信頼していない」割合はどちらも低いという結果がでました。健康食品や健康器具メーカーなど健康事業関連企業だと信頼している割合は33.2%です。

健康関連でのなじみは薄いが知名度が高い企業のWebサイトでは医療関係者や専門家が監修したコンテンツの信頼性は34.6%で、医療関係者や専門家が監修していない場合は26%でした。健康関連でのなじみは薄く、知名度も高くない企業のWebサイトで、医療関係者や専門家が監修したコンテンツの信頼性は24.6%、監修していない場合は19.9%でした。

医療機関などと比較すると信頼性は低くなりますが、企業やメーカーが発信しているコンテンツを一概に「信頼してない」ということではなく、いずれも「どちらとも言えない」に高い数値がでています。

「あまり信頼していない」「信頼していない」割合が30%台と比較的高かったのは、健康分野での関連が薄く、知名度が高くない企業のWebサイト(医療関係者や専門家は監修していない)、医療関係者ではない個人のサイトですが、それでも「どちらとも言えない」という数値の方が高いという結果がでました。

個人サイトであっても専門機関の公式な情報から引用して記事をまとめているものもありますし、読者側もいくつかのサイトと比較したり、エビデンスが示されているかどうかなどを確認したりして、冷静に判断していると思われます。

Webサイトの情報を健康管理に活用したい

Webサイトにどんな情報や機能があれば、良いと思うのでしょうか、またそのサイトを利用したいと思うでしょうか。

「常に新しい情報が記載されている」(44.5%)という信頼できる情報源として活用するほか、「気になる症状などを入力すると対処法や予防法を教えてくれる」(37.3%)、「自分の健康状態が分かるチェックシートがある」(28.3%)など、自分の健康管理に活用したいという要望も見られました。

自由回答では、「免疫力向上に役立つ発酵食品について」(女性50~59歳)(男性30~39歳)、「室内でできる筋トレ」(男性40~49歳)など長引く自粛生活のなかでどう健康的に生活するかについての情報ニーズが高い様子がうかがえます。

一方で、「正しい情報が何か分からなくなった」(女性40~49歳)というように、多すぎる情報に疲れているようなコメントもありました。

「SNSや口コミで関心を持った健康情報があった場合、周りの方に勧めることがどれだけありますか」という問いには「勧めない」37.9%、「信頼できる情報かどうか確かめてから勧める」23.9%と慎重な様子がうかがえます。

「あなたが普段から健康を気にかけている人がいるか」というアンケートには、「配偶者・パートナー」(46.0%)、「親」(39.5%)、子供(30.7%)と、家族に対して回答が集中しました。女性は「配偶者・パートナー」「親」「子供」「兄弟・姉妹」という対象で男性よりも高い数値がでましたが、男性は数値としては低いものの「職場の上司」「職場の部下」「職場の同僚」など、仕事関係で女性よりも高い数値がでました。身近な存在であり、相手を知っているかどうかが影響していることが分かります。

「健康を気にかけている相手にどのような行動をとるか」という問いには「定期的に連絡をするなどコミュニケーションを取る」(26.6%)に次いで、「医療・健康情報を伝える」(22.6%)という回答に応えが集まりました。

正しい情報かどうかをどう見極めるかが、これからますます重要になってくると思われます。

連載:ウィズコロナの健康意識

コンテンツ本部
医療&健康コンテンツチーム

医療&健康コンテンツをつくる・つたえる・しらべるチームです。いま、医療&健康分野のどんな情報が求められ、読まれているのか。インターネット上に飛び交う玉石混交のコンテンツのなかで、信頼できる情報をどう探せばいいのか。読み手とのコミュニケーションを育み、共感を呼ぶコンテンツづくりをサポートします。ヘルスケアや健康経営に関するコンテンツ制作・調査・従業員のヘルスリテラシー向上施策などのご相談がございましたら、下記より気軽にお問い合わせください。

日経BPコンサルティング通信

配信リストへの登録(無料)

日経BPコンサルティングが編集・発行している月2回刊(毎月第2週、第4週)の無料メールマガジンです。企業・団体のコミュニケーション戦略に関わる方々へ向け、新規オープンしたCCL. とも連動して、当社独自の取材記事や調査データをいち早くお届けします。

メルマガ配信お申し込みフォーム

まずはご相談ください

日経BPグループの知見を備えたスペシャリストが
企業広報とマーケティングの課題を解決します。

お問い合わせはこちら