

- ブランドづくり、5つのヒント
そもそも企業にとって、ブランドはなぜ重要なのか。ブランドづくりには、どう取り組むべきなのか。そして、ブランド・ジャパンとはブランドをどう捉えている調査なのか。5人のブランド・ジャパン企画委員からそれぞれの提言です。1つめのヒントは、特別顧問のデービッド・A・アーカー氏から。
低成長時代最強の処方箋はブランド構築
ブランド・ジャパンの企画当初から、長年にわたり企画委員会の特別顧問として深い示唆を与え続けるデービッド・A・アーカー氏が、ブランドづくりに携わる日本の皆様へ、遙々、米国・サンフランシスコからメッセージを寄せました。
ブランド構築とは、低成長時代における最強の処方箋であり、その取り組みを推し進めるためには、“サイロ”(縦割り)問題による「孤立や競争」を「協力とコミュニケーション」で乗り越える必要があるという、ブランド担当者へのエールです。是非ともご覧ください。
このビデオレターは、『「ブランド・ジャパン」発行15周年記念ブランドセミナー トップブランドをつくるイノベーションの起こし方』(2015年4月17日開催)のセミナー冒頭で上映されたものです。
インナー・ブランディングとブランド・ロイヤルティの真価
自分は、コーポレートのブランド担当者に任命されてはいるけれども、何から手を付けて良いのか分からない。ブランドづくりの重要性を分かっているけれども、全社員をどうやって巻き込んでいけば良いのか分からない。ブランド力の向上は、収益改善には必要不可欠だと思うのに、その重要性が軽視され、社の業績低迷をきっかけとしてブランドづくりの予算がカットされた――。こんな悩みを抱えていらっしゃるブランド担当者は、きっと多いのではないでしょうか。
こうしたお悩みに、Aaker氏が率直なアドバイスをお送りします。インナー・ブランディング(社内の意識改革)は、ブランドづくりの中核を担う重要な取り組みであり、そこには挑むべき2つのチャレンジが必要であること。業績が低迷している時こそ、ブランド・ロイヤルティに目を向ける必要があること。Aaker氏が熱弁を振るいます。
デジタルの利活用とブランドづくりのこれから
Aaker氏からのエールは、ブランドづくりのこれからを考えていくためには欠かせない2つのトピックで締めくくられます。
1つ目のトピックは、重要度が今後さらに高まっていく「デジタル」の利活用についてです。その可能性を4つの観点から示す一方で、「どのようなメディアを用いるべきかという議論はあまり重要ではない」として、メディアの利活用を検討する際、本質に立ち返った議論が必要性であると念を押します。
2つ目のトピックは、10年後、「ブランド」を取り巻く環境がどのように変わっているかです。今後起こりえる消費者トレンドの変化を3つ挙げ、その観点から、今後ブランドづくりを進めていく上で注意を払うべきポイントをご紹介いたします。

デービッド・A・アーカー氏
プロフェット社副会長、カリフォルニア大学バークレー校 名誉教授
ブランド論の第一人者として知られ、『ブランド・エクイティ戦略』(1994年)、『ブランド・リーダーシップ』(2000年)、『ブランド・ポートフォリオ戦略』(以上ダイヤモンド社、2005年)、『カテゴリー・イノベーション』(日本経済新聞出版社、2011年)、などの著書や論文を多数送り出している。2014年には、その集大成ともいえる『ブランド論』(ダイヤモンド社)を上梓した。ブランド・ジャパンには、第1回から特別顧問として参加。