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サバイバル分析ウィズコロナ時代の周年リアルイベント

周年イベントが向かう未来

  • 文=佐藤 恵司郎
  • 2020年12月24日
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周年イベントが向かう未来

周年事業の一環として式典や、周年旅行といった周年イベントを検討する企業もあるでしょう。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、従来型の周年イベントはリアルでの開催が困難になっています。ウィズコロナ時代の周年イベントのトレンドについて、JTB法人事業本部の金井大三さんと黒崎秀将さんに話を聞きました。

コロナ禍における周年イベント

2020年春以降、新型コロナウイルスの影響で、多数の人が集まるようなイベントは感染リスクを考慮し、開催が中止・延期になりました。記念旅行は中止され、記念式典はオンラインで開催されるケースが多くなっています。

新型コロナウイルスの影響でイベントの開催が難しくなる中、周年イベントに対しての考え方もまた変わりつつあります。

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株式会社JTB
法人事業本部 事業推進部
コミュニケーション事業推進担当部長
金井 大三さん

「これまでのように、一過性のお祭り的に人が集まるイベントを開催するのではなく、周年を企業の転換点と捉え、周年プロジェクトを通じて会社をよりよくしていくという考え方にシフトしているのではないでしょうか。周年を、ブランディングやCSRを視野に入れた、本質的な課題解決の機会とする企業が増えてきています」と黒崎さんは話します。

また、金井さんも「働き方改革でリモートワークやワーケーションなど新しい働き方が出てきました。周年事業とインセンティブを組み合わせた、個人型の周年旅行も出てくるかもしれません。例えば、個人が好きな時に好きな場所へ1週間、家族と旅行へ行ってそこで仕事をしてくるといった、家族の絆+所属する会社へのエンゲージメント向上を目的としたものです。時代に即した新しい周年の形ですね」と語ります。

記念式典はリアルに戻る?

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃、多くのイベントは中止になり、その後、リアルからオンラインでの開催にシフト。参加者をオンラインでつなぎ、ARやVRなどのテクノロジーによる演出を活用したケースもありました。

しかし、バーチャルの世界では伝わりにくい、人が感じる熱量を求めてリアルの価値が再び高まっているのも事実です。イベントの参加者にメッセージや理念を理解、共感してもらうにはリアルの場に勝るものはない。イベントを開催する企業も改めてその価値を再認識しています。

コロナ禍におけるリアル開催においては、感染拡大防止対策が必須です。JTBは、十分に顧客とすり合わせながら、行政のガイドラインとMICE関連団体のガイドライン、過去の実績を組み合わせ、安全性を担保できる形を探しています。

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株式会社JTB
法人事業本部 事業推進部
コミュニケーション事業推進担当部長
黒崎 秀将さん

「感染拡大防止対策については、企業のイベント担当者には浸透しているとはいえません。そこでJTBではコロナ禍の新しいリアルイベントの形として『コンタクトレスイベント』の開催にも取り組んでいます。コンタクトレスイベントとは、3密を避け、近接した距離での会話や発声を抑え、適切な対策(入場者の制限や誘導、手指の消毒、マスクの着用、室内の換気など)を行い、感染リスクを抑えたイベント開催の取り組みです。これを基本にどのように感染拡大防止対策を行えばよいか、お客様の特性に応じてカスタマイズしています」
(黒崎さん)

主流はリアル×オンライン

コロナ禍で急激に広まったオンラインでのコミュニケーションは、会議やイベント開催における新たなスタンダードとなりました。

オンラインでのイベントは、開催する場所や参加者の場所、収容人数など、リアル開催の障壁を取り除くメリットがあります。参加者がいつでも視聴できる配信型も登場し、全世界をつなぎ、誰でも気軽かつ簡単に参加できるようになりました。

JTBとあいおいニッセイ同和損保は2020年12月、創業10周年事業として、動画「外交官 杉原千畝 命のビザ」をインターネットにてオンデマンド配信しました。当初計画されていたリアル開催は500人規模の会場を想定したものでしたが、オンライン化により視聴対象者は代理店や契約者のみならず、一般層にまで飛躍的に広がりました。さらに、多言語で翻訳して海外に発信するグローバル展開も可能となり、リアル開催以上の拡散効果が期待されます。

今後、リアルとオンラインそれぞれのメリットを活用する方法が主流となるのは、想像に難くありません。例えば表彰式自体はリアルで行い、その様子はオンライン中継する形です。表彰式はリアルの場で行い受賞者のインセンティブとし、視聴者の「来年はあの場にいくぞ」というモチベーション向上につなげます。

「イベントの開催はリアルかオンラインかではなく、ハイブリッドでいかに良質な『体験』をつくっていくかが重要です。オンラインが主流な時代こそ、リアルの価値は高まります。ニューノーマル以降もその流れは変わらないでしょう」と金井さん。リアルとオンラインのよさを掛け合わせ、より質の高い新たなコミュニケーションが生まれます。規模も大きくなり、世界が近づく時代になっていくでしょう。

いまや、発想やアイデアによってさまざまな周年イベントが実現する時代です。コロナ禍の制限を逆手に取って、新しいイベントの形をつくり上げていく。無限の可能性があるところに私たちはいるのです。

株式会社JTB

1963年、株式会社日本交通公社として設立、2018年より現社名。
法人事業本部では、企業や団体、行政、教育等に関わる顧客のさまざまな課題解決に向けて、旅行(団体・個人)、ビジネスイベントや会議運営を中心としたMICE(Meeting, Incentive, Convention/Conference, Exhibition/Event)、総務・人事系ソリューション(福利厚生 ・出張サポート・人財育成)、地域交流(地方創生)等の事業を行っている。
企業や団体を対象にした設立・創業の周年事業では、記念式典、記念旅行を中心に、アウター向けの周年プロモーションからインナー向けのブランディングまで、幅広く支援している。

https://www.jtbbwt.com/

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