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サバイバル分析イベントレポート〈日経BP総研フォーラム2017-2018〉

経営課題・社会課題解決のための5つのソリューション

  • 文=青木唯/構成=松崎祥悟
  • 2017年11月20日
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市場予測

未来の市場規模をずばり予測する
事業開発に必須である未来の市場規模を大胆、かつ根拠をもって提示

秦充洋
ミレニアムパートナーズ 代表取締役
日経BP総研未来研究所・秦充洋客員研究員

技術革新が加速度的に進展する現代、企業にとって新規事業の立ち上げは大きな課題の一つ。そこで重要視されるのが、「市場予測」である。新市場の規模を数字で見せるだけでなく、それを使って最終的なビジネスの意思決定にどうつなげるのか。またどのように市場を予測するのか? こうした課題に対し、実践的なヒントを伝授したのがミレニアムパートナーズの代表取締役であり、日経BP総研未来研究所客員研究員を務める秦充洋氏だ。

「ここ5~10年の間に世の中が大きく変わった、または従来の指標が大きく壊れてしまったケースがたくさん起こっている。これまでの予測手法は通用しない」
秦氏は、新市場を生み出す技術革新は10年に一度起きるとし、そのような革新的な技術はすでに世の中に出現しているという。さらには、自動運転、インバウンド、シニアサービス、家庭用蓄電池などが今後国内で拡大すると予測した。

講演のなかでも核となったのは、市場予測の方法論だ。なぜ将来市場の規模の算定が難しいのか? その原因を解説するとともに、予測法として「フェルミ推定」や「ロジスティック曲線」の考え方を紹介。件数ベースから顧客ベース、そして金額ベースへと徐々に予測を進める具体的なステップを踏み、最終的に自社の事業計画に落とし込むところまで説明した。

未来市場の規模を推定するのは簡単ではない。しかし、大胆かつ根拠をもって提示すれば、誰にでも実践できることを示した。

事業創出

新規事業創出・新商品開発の処方箋
なぜ新事業が立ち上がらないのか? ボトルネックを解消するソリューションを紹介

河井保博
日経BP総研クリーンテック研究所・河井保博所長

事業創出は大きなテーマであると同時に、あらゆる会社が悩んでいる課題の代表的なものである。アイデア・コンセプト・ビジネスモデルなどが浮かばない、上司に案が通らない、資金が足りない、最適なパートナーが見つからない……。これはほんの一例だが、つまるところ原因は「リソースが足りない」に尽きるという。

「答えは実は簡単で、解を外に求めるしかない」
登壇した日経BP総研クリーンテック研究所河井保博所長はこう分析したうえで、事業創出に関わる日経BP総研が携わってきた代表的なソリューション事例を挙げた。

渡辺和博
日経BP総研マーケティング戦略研究所・渡辺和博上席研究員

まずは、日経BP総研マーケティング戦略研究所渡辺和博上席研究員が担当した島根県出雲商工会議所のモデルケースからスタート。「女性」をキーワードに、新たな地域創生を促す名産品開発をサポートした。これは出雲風土記に出てくる薬草を用いたお菓子で、「食べるお守りシリーズ」として都内のコンビニエンスストアで販売された。

次に、パートナーづくりを力強くサポートする「ビズラボ」の取り組みを紹介。異業種の仲間との闊達な議論によってビジネスプランを練り上げる場だ。ディスカッションでは「No」と言わないルールを徹底する。この「ビズラボ」を通して生まれたアイデアをビジネス化する「リアル開発会議」の活動も並行して実施。これまでに遠隔診療や100kg過般ドローンなどの開発を実現している。

顧客開拓

新たな顧客はどこにいるのか?
PART1 顧客開拓を加速する「総合情報戦略」構築ソリューション

望月洋介
日経BP総研・望月洋介所長

潜在的な顧客はどこにいるのか? 企業の大小を問わず、また国の研究機関、自治体でも、事情は異なれど同じ課題を抱えている。テーマ「顧客開拓」では、日経BP総研・望月洋介所長が講演した。

顧客とは何か? 望月所長は「既存の商品・技術・事業」「新しい商品・技術・事業」と「既存市場」「新しい市場」「潜在市場」を掛け合わせることで、さまざまな顧客開拓のアプローチができると提示。掛け合わせを変えて日経BP総研が提供してきた象徴的なソリューション事例の数々を紹介した。

「大企業、中堅・中小企業、研究機関や地方自治体など、ポテンシャル・パートナーに関わるさまざまな解決策に共通するのは情報発信という手法だ」
このように語り、これからの企業経営は情報戦の重要性を改めて認識する必要があると結論づけた。欧米ではニュースリリースと学会戦略、人材戦略が組み合わさって等身大以上の企業価値を伝えていることも解説。日本企業は現状、自社の企業価値の2~3割しか出せていないと警鐘を鳴らした。

「もし日本にも等身大で伝える企業情報戦略があれば、より企業価値を最大化できる」
それが、新事業や顧客開拓につながっていくとして、講演を締めくくった。

PART2 ステークホルダーの意識を変えるには、恒常的な情報発信が必要

北哲弥
大和リース 取締役常務執行役員 規格建築事業部長 北哲弥氏

ムーブメントを作っていくメディア。その実例が2015年2月にオープンした協業メディア「新・公民連携最前線」だ。フォーラム最後のプログラムでは、日経BP総研戦略企画部・高橋博樹部長が進行役を務める中、大和リース 取締役常務執行役員 規格建築事業部長 北哲弥氏が講演を行った。

「協業メディアが立ち上がる前は、PPP・PFIは国の後押しがあったものの、自治体には温度差があった。大和リースとしてはPPPを全国の自治体に普及させたいが、実情は異なる。それが2015年当時の課題だった」
このように北氏は振り返る。これに対して日経BP総研が提供したソリューションが、自治体の首長や実務担当者への啓発を目的とした協業メディアだ。隔週刊誌ほどのコンテンツ量を持ち、自治体関係読者が現在7000人(日本の自治体数は約1780)。影響力のあるメディアに成長している。

高橋博樹
日経BP総研戦略企画部・高橋博樹部長

「営業活動の面で『新・公民連携最前線』がプラスに働くことが多いのと、キーパーソンとの人脈構築、ビジネス拡大のきっかけとして機能している」
北氏は協業メディアをこう評価する。公民連携事業は現在789件まで増え、メディアが立ち上がる以前に比べ受注も順調に伸びているという。

協業メディアから派生したメリットも多数ある。なかでもシンポジウムや「円卓会議」の開催などを通じて、PPPムーブメントを全国規模で醸成できたという実りは大きい。


日経BP総研:http://bpi.nikkeibp.co.jp


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