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周年事業周年事業レポート(5)

会社だけじゃない。商品こそ周年記念サイト

  • 文=佐藤恵司郎
  • 2018年10月09日
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会社だけじゃない。商品こそ周年記念サイト

周年は、企業が社内外に向けたメッセージを発信する絶好のタイミングである。より効果的なメッセージを発信するためには、過去の歴史を理解し、将来ありたい姿を見据えたコンテンツが欠かせない。連載第2回となる今回は、趣向を凝らしたコンテンツでメッセージを発信している周年記念サイトを紹介する。

スケッチブックのある暮らしを提案。マルマン

「図案スケッチブック」の60周年を記念した限定商品
「図案スケッチブック」の60周年を記念した限定商品
クリエイターやアーティストとのコラボレーション
クリエイターやアーティストとのコラボレーション

1920年、東京・神田で創業した丸万商店は、スケッチブックの実用新案特許により、学習用スケッチブックの製造販売を行ってきた。主力商品の「図案スケッチブック」は、2018年に60周年を迎える。スケッチブックといえばマルマンと言われるように、誰もが一度はそのスケッチブックを使ったことがあるはずだ。

60周年特設サイト「ZUAN LIFE!」は、「ABOUT」「ITEM」「HOW TO USE」「SPECIAL」「HISTORY」のコンテンツで構成されている。

クリエイターや芸術家のインタビュー、ラッパーと社員が共演するラップ映像、東京ヤクルトスワローズのつば九郎とのコラボレーションなど、魅力あるコンテンツが散ればめられ、飽きさせない。

図案スケッチブックの用途は、絵を描くだけではない。アイデアブックとして、プレゼン時の情報伝達用として、テレビのカンペ用としてなど、使い方は様々。マルマンは、「夢を描く道具」としての60年を振り返り、毎日をデザイン(図案)する自由度の高いクリエイティブツールとして、スケッチブックのある暮らしを提案している。

派手さだけじゃない定番コンテンツも。はごろもフーズ

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数字で見るシーチキン

はごろもフーズの「シーチキン」は、2018年、誕生から60周年を迎える。
「シーチキン」と名付けられた、鶏肉のように白くやわらかい、蒸したまぐろは、今や国民食として多くの人々から愛されている。

サイトではTV-CMと連動した写真や映像、ロックバンドや作曲家を起用した「シーチキンのうた」で60周年を盛り上げる。豪華なメンバーを起用したクリエイティブに目が行きがちだが、スペシャルコンテンツの、「シーチキン60年の歴史」「数字で見るシーチキン」でもしっかりとツボを押さえている。

「シーチキン60年の歴史」はWebのUI(ユーザーインターフェース)を上手く利用したスクロール型の年表で、当時の写真やイラスト、小ネタのTOPICSなどを盛り込み、気軽に楽しくシーチキンの振り返ることができる。アーカイブとしても利用でき、周年が済んだあとも容易に追加編集ができそうだ。

「数字で見るシーチキン」では、シーチキンの特徴を数字を絡めて紹介。強みを数字に落とし込み、イラストやグラフィックと合わせて表現する。これで情報が伝わりやすくなり、理解が進む。自社では当たり前に思う何気ない数字も、客観的に見ると意外性や面白さを感じられる。定番だが、オリジナルのコンテンツとして使えそうだ。

選手もファンも巻き込み周年を祝う。Jリーグ

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もしJリーグがなかったら

1993年5月15日に開幕した日本プロサッカーリーグのJリーグは、2018年、開幕25周年を迎えた。

サイトを訪れてまず目を見張るのは、数々の名シーンを使用して構成されたオープニングムービーだ。過去の映像が豊富なのはスポーツならではだ。説得力がある。

コンテンツは「もしJリーグがなかったら」「もしJリーグがなかったら(現役選手編)」「25周年記念特別インタビュー」の3つで構成されている。

「もしJリーグがなかったら」は参加型のコンテンツだ。ハッシュタグ「#もしJリーグがなかったら」を付けてSNSに投稿すれば、誰でも参加できる。ファン、サポーター、パートナー、関係者などを巻き込み、一緒にコンテンツを作り上げる構成は、スポーツ文化の振興といったJリーグの理念や活動方針を思わせる。

「もしJリーグがなかったら(現役選手編)」は、文字通り現役選手へのアンケートだ。顔写真付きの回答や一言コメントなどがあり、選手たちの違った側面が見られ興味深い。

また、往年の名選手や、海外から来たスター選手へのインタビューは、周年ならではの内容で、貴重な情報が掲載されている。今後、アップデートを重ねていけば、ここでしか読めない希少価値のあるコンテンツになるだろう。

社員一人ひとりがメッセージを発信。スノーピーク

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社員一人ひとりのメッセージ

新潟県三条市に本社を置くアウトドア総合メーカーのスノーピークは、2018年に創業60周年を迎えた。同社はものづくりのまちとして有名な燕三条から、「自らもユーザーである」という信念で、ユーザー目線に立った高品質なモノやサービスを提供する。

創業60周年特設サイトは、「社長メッセージ」「60周年記念限定アイテム」「社員メッセージ」で構成される。シンプルながら理念とメッセージが伝わってくる。

2017年12月に行われた社員総会「59→60 Snow Peak Next Way」では、社員一人ひとりが、アウトドアパーソンとして自ら考え、想いを語り、原点の精神を見つめ直した。特設サイトの締めくくりには、そこでのメッセージを写真とともに掲載。周年を機に意識を向上させ、「自然指向のライフスタイルを提案し実現する」という理念のもと、全社一丸で、社会に良い影響を与える企業を目指す姿勢がうかがえる。

地域に愛される「つながり」を表現。東急電鉄

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東急池上線90周年記念広告ギャラリー

東京都大田区蒲田から品川区五反田まで、15の駅を結ぶ東急池上線は、2017年に90周年を迎えた。現在も3両編成の電車が走る池上線の沿線には、地元住民から愛される商店街や、豊かな自然、歴史・名所史跡などが点在し、下町情緒が溢れている。

特設サイトは、池上線開通90周年記念イベントと連動した「つながり」を表現したコンテンツで構成される。

池上線沿線の人気和菓子店など15店舗が一堂に会する和菓子祭り「わフェス※」と連動したコンテンツは、華やかで見ているだけでも楽しい。中でも、画像を選んでSNSにシェアできる「わたし、わフェス行く宣言!」はシェア画像のコピーが秀逸で面白い。

池上線の各駅に掲出された、沿線ゆかりの人やモノが「90」登場する広告ギャラリーでは、沿線で暮らす人々の写真がエピソードを添えて掲載されている。派手さはないが、地域に根ざし、人々から愛される池上線の姿を描く。

※2017年11月11日(土)、12日(日)の2日間、池上本門寺で開催された

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定番コンテンツから各社オリジナルのユニークな企画まで、いずれも作り手が楽しみながら、ありたい姿を思い描き、発信しているのがよく分かる。周年は会社だけではない。商品やレーベルも周年を迎える。プロモーションのタイミングとしてこれを逃す手はない。優れたコンテンツは周年記念だけにとどまらず、継続して積み上げていけばブランド醸成となり、回りまわって販促にもなる。ブランドマーケティングだ。企業や組織の思いを伝える重要な資産となりつつ、“リターン”を得られるはずだ。

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  • 2018年10月09日
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