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周年事業企業ブランディングのための社史・周年史の教科書(5)

制作パートナーを探して編集体制を整える

  • 文=大塚 葉(日経BP社カスタム事業本部)
  • 2017年07月28日
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制作パートナーを探して編集体制を整える

前回までで、企業のブランディングやリクルーティング、マーケティングに役立つ戦略的な社史・周年史のつくりかたの具体例を紹介しました。今回から、社史・周年史の完成までのプロセスを見ていきます。編集、制作に関する専門用語も登場しますので、太字にして文末で説明します。

以前は、社史・周年史の企画、原稿作成、編集まで社内で行うことがほとんどでした。社内でつくった原稿や写真を印刷会社に入稿し、印刷・製本していたのです。最近では企画や原稿作成、デザインなどを外部のプロに任せることが増えました。外部の編集制作会社などにパートナーとして協力してもらうと、社内だけで制作を進めるより企画面、デザイン面に幅が出ます。

【制作の準備】委員会をつくりパートナーを探す

社史・周年史の制作

単なる記念に終わらない戦略的な社史・周年史とは?

日経BPコンサルティングの制作する社史・周年史は単なる企業の歴史紹介ではありません。貴社の未来を描くための戦略的なご提案をします。

>>社史・周年史制作のご案内

社史・周年史の制作が決まったら、まず社内で「社史編さん委員会」「周年史プロジェクトチーム」などを立ち上げます。委員会では、社史・周年史の企画内容に関して決定権を持つ人を委員長にしましょう。委員会メンバーは大人数になりすぎないようにするのもポイントです。内容に関して会長、社長などトップが最終的な決定権を持つ場合もあります。委員会は常にトップと連絡できるようにします。

外部のパートナーの協力を得る場合、パートナー会社もこのプロジェクトのための編集チームを構成します。編集チームはライターやフォトグラファー、デザイナーなど、その社史・周年史に最適なスタッフを決めます。この後便宜的に、企業側のチームを「社史委員会」、パートナー側のチームを「編集チーム」と呼びます。

社史委員会と編集チームは、密にやり取りをする必要があります。お互いの体制が固まったら、キックオフミーティングを行いましょう。企業の会長、社長などは多忙でしょうが、1回目のミーティングには参加をお勧めします。これから一緒に事業を進めるパートナーとの顔合わせになります。この後は、社史委員会と編集チームで編集会議を開催します。制作期間にもよりますが、2週間か月に1回程度、定例会議を設定すると効果があります。ライターやデザイナーが会議に参加することもあります。

制作が進行し、誌面の形になってからは注意が必要です。社史委員会から企画内容の再検討や修正依頼が出される局面では、編集チームに修正を伝える社史委員会の担当者は、できるだけ一人に決めましょう。

社史・周年史制作には社内の様々な部署が関わります。それぞれが書いてほしい情報が異なることも多いので、社史委員会の窓口担当者がうまく調整しなければいけません。以前に書いたように、社史・周年史制作は社内が一体となって関わるのが理想です。社史委員会は、社内を巻き込んで制作に当たることが大事です。こうした施策についても編集チームがアドバイス、提案をしていきます。

Point

① 社内に社史・周年史の専門チームをつくる

② 社外のパートナー会社の協力を得る

③ 社史・周年史制作は社内を巻き込みながら行う

【企画の検討】チェックシートでイメージを固める

社史・周年史制作用チェックシート
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社史・周年史制作用チェックシート

 企業とパートナーの体制が固まったら、企画に着手します。「社史・周年史制作用チェックシート」を見てください。制作に入る前に、どんな社史・周年史をつくるのか検討します。まずは社史委員会で、チェックシートの項目を記入していきましょう。

 

 発行目的と読者ターゲットを決めることが、最重要ポイントです。これによって、この社史・周年史がその企業の戦略的ツールになるかどうかが決まります。発行目的と読者ターゲットが決まれば、掲載内容やデザイン、ページ数などもイメージが固まってきます。「社史・周年史の発行実績」も確認します。以前制作した実物があれば、それを見ながら「前と同じ仕様にするか、違うものにするか」を検討します。

 

 次回は、このチェックシートの書き方を解説していきます。

覚えておきたい編集・制作用語集

入稿(にゅうこう)
原稿を制作会社や印刷会社などに渡すこと。原稿とは文章、写真、イラストなど多岐にわたる。渡す相手も様々で、ライターが編集者に原稿を送ったり、編集者がデザイン会社に写真を渡したり、デザイン会社の制作したレイアウトデータを印刷会社に送ったりすることも入稿と呼んでいる。

プロフィール

大塚 葉

日経BP社 カスタム企画部 担当部長
雙葉高校、早稲田大学法学部卒。技術評論社でPC入門誌「パソコン倶楽部」、日本初の女性向けPC誌「パソコンスタイルブックforWomen」を編集長として創刊。日経BP社では「日経PCビギナーズ」編集長、発行人を務める。「日経ビジネス」「日経WOMAN」「日経ビジネスアソシエ」のWebサイトのプロデューサーとして、深澤真紀氏、白河桃子氏などのヒット連載を企画。初心者向けIT、働く女性、仕事術についての執筆・講演多数。著書に『やりたい仕事で豊かに暮らす法』(WAVE出版)、『ミリオネーゼのコミュニケーション術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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  • 2017年07月28日
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