ステークホルダーに響く、コーポレートサイトとは?

「選ばれる」ための採用サイトをつくる

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    マーケティング本部 コンサルティング部 松岡 春樹

従来日本では、定年まで同一企業に雇用され続ける終身雇用が一般的でした。 周知の通り従来型の採用、雇用ともその形が変わってきています。 多くの企業では労働力が充足している状態には無く、計画通りに採用を行えるかが業績に直結する課題となっているでしょう。 更に今後、少子化によって若手社員を確保することがより難しくなることは想像に難しくありません。
このような時代において、自社が「選ばれる」ための採用サイトの作り方を本稿でお伝えします。

1.企業が求職者に「選ばれる」時代

個人と企業が対等に

これまでの市場は採用側である企業が優位な買い手市場でしたが、売り手市場化が進み個人と企業の関係が対等になっているのが現在です。求人に対する応募数の不足や、内定辞退といった課題は多くの企業が抱える悩みではないでしょうか。求職者に「選ばれる」ために重要なことが豊かな従業員体験(働きがい)の提供と、企業文化へのマッチです。
これらの情報を求職者に提供できる媒体として有効なのが自社採用サイトだと考えます。

存在認知きっかけはスカウトかエージェント

「採用サイトをリニューアルする」「求人媒体に自社の求人情報を掲載する」
充足しない採用数に対策をする場合にまず挙がってくるのがこのような対応ではないでしょうか。
社員を採用したいので候補者に向けた情報を取りまとめ発信する。ということは至極真っ当ではあるのですが、そこには大きな課題があります。誰もが名前を知っているような大企業であれば採用サイトにも自ずと人が訪れるでしょうが、多くの中小企業の場合はそうはいきません。数多ある求人情報に埋もれてしまい、誰にも見られず存在すら認知されないという可能性が高いです。ですので、「自社の存在を認知させる施策」と「理解度を深める施策」に分けて考えるとよいでしょう。
自社の存在を認知してもらうためには転職サービス上で直接スカウトを行うことや、転職エージェントから求職者へ自社求人を提案してもらうことなどが有効ですが、その後の理解度を深めるところまでの流れまで考えると、自社採用サイトで情報発信を強化することが求職者とコミュニケーションを図る上で重要です。
求職者側からすると、自分に興味を持っていると思われる企業の情報や、転職エージェントという第三者目線でマッチしているとされる情報には自ずと関心を抱くものです。
求人媒体で破格の待遇を提示できる場合や、唯一無二の特殊性でもなければ、多くの求職者は自社の求人情報までたどり着くことができません。現在の採用市場では自社を認知してもらえるきっかけはスカウトまたはエージェントの仲介が主流となっています。
ですが、認知のみに注力しても求職者の自社への理解度は高まりません。自社採用サイトでの情報発信・求職者とのコミュニケーションは「選ばれる」ためにこそ必要です。

自社採用サイトはファーストコンタクトの場ではない

スカウトや仲介で自社の存在を認知した求職者へ求人票以上の情報を伝え、より高いマッチ度を持った求職者への応募を促すという機能が自社の採用サイトの最重要ミッションとなります。
自社の存在を認知させるというファーストコンタクトは採用サイトの範囲として期待せず、自社を認知した求職者へより深い理解を与えることや、共感性を生むことを採用サイトの役割と位置付けるべきだと考えます。

志望理由と企業の社会的価値

多くの企業が採用面接の場で求職者に自社への志望理由を問うと思われます。どのような考え方をもって志望しているのか、入社後にどんな働き方をしたいのかを知ることができる質問として定番の質問になっています。そして、「なぜそれが当社なのですか。」と続くわけです。
ですが、これからの時代は企業側にもこの質問に答える必要が出てくるでしょう。仮に面接に訪れた求職者がスカウトした方だった場合、この質問は企業側へも投げかけられることになります。「なぜ私をスカウトされたのですか。理由を教えてください」と。
「募集している職種で活躍していただけそうな職能があったからです」と答えるでしょうが、昔の企業側の回答よろしく「そのような方は他にもたくさんいらっしゃるのでは?」と返されてしまうわけです。
そこで重要になってくるのが自社の社会的価値です。当社はこのような考え方で活動をしているので、あなたのこの業界でのこういった業務経験をここで活かしてほしいなど、スカウトした個人にパーソナライズされた理由付けを回答する必要があります。
これまで企業が求職者に自社を選択した正当な理由を求めたように、これからは企業から求職者に向けて「なぜあなたの入社を求めるのか」を正当な理由で応えられなければなりません。

2.採用サイトで伝えるべきこと

欲しい人材に響くコンテンツ

前項で面接の話を出しましたが、そこに至るまでには一般的に自社の認知と応募、書類選考を経るでしょう。採用サイトは特にこの認知から応募にかけての態度変容が主要な活躍範囲となります。
多くの場合、採用サイト閲覧後には面接という相互コミュニケーションの場が用意されていますので、採用サイトでは企業からの情報発信という性格が強くなります。ここでは、自社の求める人材が自社求人へ応募する意思を決定するための情報を過不足なく提供しなければなりません。この情報こそが本稿の主題である「選ばれるための」コンテンツとなります。

この続きはオンライン講座(録画)と資料で視聴できます。
今すぐご視聴いただけますのでご希望の方は下記からお申し込みの上、ご活用ください。

「選ばれる」ための採用サイトを作る

A. 採用サイトの基本

 - ①役割

 - ②ゴールとKPI

 - ③理解・共感

 - ④伝える内容

 - ⑤サイト構造例

 - ⑥新卒・キャリアの違い


B. 環境変化

 - 採用の“質”が可視化される

 - ①多様化(価値観とニーズ)

 - ②脱所属(人と組織の関係性)

 - ③比較可能性(オープン情報)


C. 「選ばれる」ために

 - 「選ばれる」ための“豊かな従業員体験”

 - ①対象者の具体化

 - ②一貫した世界観

 - ③リアリティ


 - まとめ

(講座動画約13分20秒)

マーケティング本部 コンサルティング部
松岡春樹 (まつおか・はるき)

システム開発ベンダープリセールス、web制作ディレクターを経て現職。
デジタルコンサルタントとしてwebコーポレートコミュニケーション領域全般の企画・制作に従事。CMプロデュースなど動画制作も担当。

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