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周年事業セミナーレポート「社史編纂サポートセミナー」(4)

神奈川県立川崎図書館「社史ができるまで講演会 34回」が開催

  • 文=菅原研
  • 2019年11月27日
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神奈川県立川崎図書館「社史ができるまで講演会 34回」が開催

2019年11月8日、神奈川県立川崎図書館カンファレンスルームにて、「『“I”have a dream あなたの夢はなんですか?』ができるまで ~ドリーム本誕生までの10ヵ月~」が開催された。講師は編集・制作を担当したヒューマックス総務部パブリシティグループの杉谷佳美マネジャー。
神奈川県立川崎図書館が所蔵する約1万9500冊の社史は日本の産業史・技術史を知る貴重な資料であるとともに、日本屈指の社史コレクションとしても知られる。社史づくりを経験した企業担当者によるセミナーも不定期で開催し、社史担当者にとっての“よろず相談所”として好評を博している。今回も定員40の枠は満席だった。

現場担当者ならではの生の声

『“I”have a dream あなたの夢はなんですか?』は、2018年に創業70周年を迎えたヒューマックスグループが、その節目にグループのDNAを伝える目的で制作したもの。未来を担う社員をメインターゲットに、先人が取り組んできた事業の成功と失敗から「ヒューマックスイズム」の姿をまとめた。プロジェクトオーナーである社長の想いは、よくある社史とは異なる「オモロイ」本にすること。その10カ月の制作期間で何があったかを、実際の制作担当者である杉谷氏が語った。

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ヒューマックスの杉谷佳美マネジャー

講演では、制作開始から完成までの「テンションのグラフ」や、プロジェクトスタート当初の企画書などをスクリーンに映しながら進められ、社史制作の担当者が実際に業務を進めるにあたって知りたい情報が随所に散りばめられた内容となった。

「はじめに」の原稿を最初にまとめる。これがよかったのは、社長を含む全員が当初の目的に立ち返ることができ、内容がぶれなくなった点だという。文章をチェックするときは、読む順番や読む場所を変えたほうがよいといった校正のコツや、インタビューを実施した社内キーパーソンや外部編集者とのコミュニケーションの取り方など、一つひとつのトピックはどれも経験者だから話せるものばかり。社内報などの資料を電子化するときは、各号個別のファイルとは別に、時系列で1つに統合したファイルを制作するとよいという。理由は特定のキーワードについて横断的に検索する手間が大幅に減るため。

現場担当者にとってはまさに“即戦力”となるテクニックの数々に加え、完成した今だから言える裏話が惜しげもなく披露され、受講者は熱心にメモを取りながら約1時間半の講演に聞き入っていた。

質疑応答の時間では「制作段階で捨てていい物、ダメなものは何か」「Webへの活用などの予定はあるか」「どれくらいの予算で行ったか」など杉谷氏への質問も多く出た。講演後には杉谷氏へ個別の質問を希望する参加者の列がなかなか途切れないなど、参加者の意識の高さがうかがえた。

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  • 2019年11月27日
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