「障害者のインターネット利用実態調査2015(視覚障害者)」
1月28日~2月28日まで、調査結果データを無償配布

2015年01月28日

日経BPコンサルティングでは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(注1)」が、2016年4月1日に(一部の附則を除き)施行されることを踏まえ、視覚障害者のインターネット利用実態を2014年10~11月にかけて調査しました。

本調査は2014年12月3日の障害者週間において一部の調査結果を発表しました。今般、調査結果の一層の活用促進を目的とし、本日から2月28日まで調査結果データの無償ダウンロードサイトを公開します。

(注1)障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律とは(以降、「障害者差別解消法」とします。)
国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格 と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、2013年6月に制定された法律。(施行は 一部の附則を除き2016年4月1日)

調査結果データのダウンロード配布期間は2015年2月28日をもって終了致しました。
この調査結果に関してのご相談事がございましたら、 下記までお問い合わせください。

(注2)クロス集計の分析軸は、ご要望に沿って設定致します。

【無償調査結果データ アウトプットイメージ】 
【無償調査結果データ アウトプットイメージ】
【自由記述集 アウトプットイメージ】 
【自由記述集 アウトプットイメージ】

調査概要

  • 調査期間:
    2014年10月14日(火)~11月5日(水)
  • 調査方法:
    Web調査(日経BPコンサルティングのインターネット調査システム「AIDA」を利用) 調査設計・画面制作の際には、音声読み上げ対応ソフトに対応できるよう配慮した。また、複数名の視覚障害者による事前テストを実施し、回答にかかる平均所要時間などを把握。調査協力者の回答負荷を確認した上で、本調査を実施した。
  • 調査対象者:
    インターネットの利用経験のある視覚障害者を抽出し、140人から回答協力を得た。
    見え方(全盲者 72人、弱視者 68人)  性別(男性 98人、女性 42人)
    年代(10代 5人、20代 15人、30代 32人、40代 49人、50代 25人、60代以上 14人)
    ※本調査では、見え方について、「全盲(日常生活で活字の読み書きが困難な視力)」と「弱視(日常生活で拡大読書器やルーペなどの補助具を使用して活字の読み書きができる、または見えづらいが活字の読み書きができる程度の視力)」と定義し、アンケート内で選択。
  • 調査項目:
    次の5つのテーマを設定し、調査設計を行った。(1人あたりの回答設問数は最大35問)
    1. インターネット利用(パソコン編・スマートフォン編) 2. 障害者差別解消法  3. 2020年東京オリンピック・パラリンピック  4. 就業状況  5. 介助支援状況

調査結果のポイント

視覚障害者のパソコン利用満足度(「大変満足」と「まあ満足」の小計)は70.0%となり、一定の評価が見られた。しかしその内訳を見ると、「大変満足」は7.1%であり、多くは「まあ満足」(62.9%)という評価にとどまった。【図1】

【図1】現在のパソコンの利用満足度
【図1】現在のパソコンの利用満足度クリックで拡大

この要因として考えられることの1つがWeb上のバリアである。パソコン利用時にWeb上にバリアがあることで、欲しかった情報が見られなかったり、手続きが最後までできなかった経験を尋ねたところ、経験がある(「よくある」と「たまにある」の小計)は75.7%となった。全盲者においては「よくある」(36.1%)と「たまにある」(55.6%)の合計が9割を超えており、快適なインターネット利用ができているとは言えない。【図2】

【図2】パソコンからインターネットを利用する際に、Web上にバリア(障壁)があることで、閲覧・手続きなどの利用を諦めた経験
【図2】パソコンからインターネットを利用する際に、Web上にバリア(障壁)があることで、閲覧・手続きなどの利用を諦めた経験クリックで拡大

また、パソコン利用時に、Web上にバリアがあることで利用が最後までできなかった経験の具体的なシーンを自由に回答してもらったところ「インターネットバンキング・ネット通販などで、時折サービス画面がリニューアルされて今までできた操作ができなくなった経験あり」といった意見もあり、改善のチャンスであるWEBサイトリニューアル時に、アクセシビリティに対する配慮が加えられていない実態があることもうかがえた。

さらに、日常社会における経験として、公共交通機関の係員や公共施設のスタッフに介助を頼む際に困ったことを尋ねたところ、「利用したい時にすぐ探せない」(55.0%)が最も高く、次いで「利用したい時にすぐ利用できない(待たされる)」(46.4%)、「介助者の接し方(話し方・説明の仕方)に関するスキル不足」(35.0%)が続いた。【図3】

【図3】公共交通機関の係員や公共施設のスタッフに介助を頼む際に困ったこと
【図3】公共交通機関の係員や公共施設のスタッフに介助を頼む際に困ったことクリックで拡大

障害者に対する制度、情報、サービス、いずれも「あればよい」ということではないだろう。それらをより価値の高いものにするためには、このような調査からまずは実態を把握したうえで、利用者の立場になって配慮を加えた姿勢や取り組みが必要になると考えている。今後も調査結果の発信を通じて、様々な視点からのご意見が社会や企業のサービス開発・改善に活用していただけるよう、日経BPコンサルティングでは今後も、障害者の方を含む様々な方を対象とした調査の企画および発信に努めていく予定である。

本件に関するお問い合わせ

※本資料内容の転載引用、有償データご購入ご検討にあたっては、下記までお問い合わせください。

日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部

瀬戸 香菜子

Tel.03-6811-8308 Fax.03-5421-9176

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