金子歯車工業(株)

創業80年・歯車の老舗が支える日本のものづくり(2)

企業紹介

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「設計図なしでも大丈夫」
壊れた歯車を再生する技術「歯車のリプロダクトサービス」

同社の高い技術力を象徴するもう一つの事実が、メーカーなどの法人だけでなく個人の顧客もいることだ。クラシックカーや釣り具、農機などで、そういった顧客が多いという。 「某タレントが所有するクラシックカーにも、当社が製作した歯車が使われている」(金子社長)。

生産が終了した古い製品では、メーカーが保守や部品供給を終了してしまう場合も珍しくない。そういった歯車が破損してしまうと修理用部品の入手が困難となるが、そのような顧客が「駆け込み寺」として同社に歯車の復元を依頼してくることもあるそうだ。同社が提供する「ギヤ・リプロダクト(歯車再製作)サービス」では、精密三次元測定技術を活用することにより、設計図などがなくても破損した歯車の現物さえあれば、新品と同様の歯車を高精度かつ短納期で製作、納品可能としている。

さらに同社では、鋼鉄だけではなく樹脂や銅合金、ステンレスなどの非鉄素材でも歯車の製作が可能という。「樹脂製の歯車は、オイルを使えない所で使う。錆びにくいステンレスの歯車は食品加工業向けだ」(金子社長)。

自発的で活発な改善提案が生み出す「ONE TEAM」のものづくり経営

図5●毎週開催している改善提案会議では提出者本人が発表して全員で共有

図5●毎週開催している改善提案会議では提出者本人が発表して全員で共有

同社では毎週、改善提案会議を行っているという。従業員全員が参加し、情報の共有を図る(図5)。この会議を初めて開始した2009年は約90件の提案が、今では年間で1200件を上回るほど活発化している(図6)。1回の会議で2件、年間で合計100件以上発表する意欲的な従業員も出てきた。

  • 図6●従業員の自発的なアイデアを基に作成した提案活動の説明資料の図
  • 図6●従業員の自発的なアイデアを基に作成した提案活動の説明資料の図

図6●従業員の自発的なアイデアを基に作成した提案活動の説明資料の図

会議の開始当初は一部のメンバーや、工場長や課長といった役職者が中心だったが、四苦八苦しながらも試行錯誤を重ね根気よく活動を続けてきた。現在では自発的な若手の存在感が大きい活動に変わり会社の文化として大きく成長してきている。

図7●年末に各自一押しの改善をプレゼンする発表会

図7●年末に各自一押しの改善をプレゼンする発表会

1年間を通じた改善活動の集大成として同社が年末に開催する発表会は様々な賞や景品も出る一大イベントとなっており、同社内だけでなく従業員の家族まで含めたコミュニケーションを深めるうえで一役買っているという(図7)。

同社の経営に携わる金子社長には、この活動による副産物もあった。

同社の営業を一手に背負い製造の現場に出る時間が限られるため、従業員とのコミュニケーションが不足気味と感じていたが、「提案活動を通じてコミュニケーションを深めることで、各従業員の意外な長所を見つけたり、誰にどのような仕事を任せるのが良いかといったことを的確に判断したりすることが可能となった」(金子社長)。

同社は地域への貢献を目的として、提案活動の対外的な広報も今年から開始した。金融機関をはじめ、県内外から8社ほどが来訪しているという。このような際に配布する提案活動の説明資料も、現場で責任者を務める従業員のアイデアを基に作成した。

今後はより活発な活動を維持継続していくのと同時に、様々な企業に「金子歯車式提案改善活動」を知ってもらい、「ものづくりだけでなく、人づくり・企業づくりの側面からも地元の富士市をはじめ広く地域貢献できるよう努めていきたい」(金子社長)という。

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金子歯車工業(株) 技術・製品資料

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