トップページ市場調査マーケティング支援ブランド戦略Web戦略業界分析サイトマップにリンク会社案内本文へジャンプヘッダメニューにジャンプフッタメニューにジャンプ

トップページNBPCマーケティング通信バックナンバー一覧 > 今月のコラムvol27-2

NBPC マーケティング通信
NBPC マーケティング通信トップ
メルマガ登録(無料)
今月のコラム
ユーザビリティのご意見番 大友直子
IT融合領域担当 永沼成子
バックナンバー一覧
最新の調査記事から
最新の調査記事
企業
仕事
政治・社会
デジタルライフ
お金
健康
衣食住
生活
趣味
お問い合わせ
Web調査モニター募集中



NBPC マーケティング通信バックナンバー 2008年4月号
今月のコラム

“選択と集中”がブランド戦略のトレンドに、それを支えるのは表裏のないブランドづくり−「ブランド・ジャパン2008」は今月18日(金)にリリース ブランド・ジャパン プロジェクトリーダー 吉田健一

今年で8回目となる調査報告書「ブランド・ジャパン2008」を4月18日(金)に発行するに当たり、ブランドをめぐる最近の動きを報告する。今、ブランドを統合・集約する企業の動きが目立っている。ブランドの“選択と集中”がトレンドになっていると言えるだろう。企業提携や買収に伴うブランドの融合を迫られる企業もある。一見華やかに見えるブランド戦略の動きだが、全従業員がブランドを支えるための地道な努力が欠かせない。見え方だけ、体裁だけを整えたブランドづくりは長続きしない。このインナーブランディングが、すべての企業にとって極めて重要な取り組みになる。

日経BPコンサルティングが手掛けている「ブランド・ジャパン」は今年2008年で8回目を迎え、今月4月の18日(金)にリリースする。今回も5万人を越える消費者/ビジネス・パーソンの声を集め、現在、最後のチェック作業に追われている最中である。4月18日には、今年も報告書発行記念セミナーを開催する。ブランド・ジャパン2008の結果を報告するほか、企業でのブランドづくりに直接関わっている方々にご登壇いただき、その実際の取り組み方を語っていただく予定である。

相次ぐブランドの「選択と集中」、企業提携によるブランドの融合も

さて企業のブランド戦略は、ブランドの「乱立・分散」期から、「統合・集約」の段階に入ったと思う。2008年早々に、これを象徴するビッグ・ニュースが飛び込んできた。ワールドワイドに使ってきた巨大なブランド名「Panasonic」に社名変更することを決めた松下電器産業の発表である。「真のグローバル企業を目指すため」とした今回の大きな決断は、5年後、10年後、そしてさらにその先までを見据えてコーポレート・ブランド育成の方針を定めた結果である。

今回社名を変更するのは、松下グループの「松下」を冠する180社と「ナショナル」を冠する32社で総数212社。これらの社名変更にかかる費用は、看板の架け替えや各種名義変更、告知のための広告宣伝などで300億円近くになるという。事務手続的な作業は煩わしく、変更に伴うコストも決して安くはない。様々な関門がありながらも社名を変更するのは、「Panasonic」「National」「松下」という、いわばトリプル・スタンダードを解消するためだ。社内外に企業像をよりシンプルに見せることで、これまでよりももっと高いブランド価値を目指し、これまでにないブランド・イメージを育成し、従業員を一つに束ねたいという企業意図の強い表れだと言える。

資生堂の前田新造社長が2005年から始めた社内改革は、このような最近のトレンドのいわば皮切りだったと見ることができるのではないだろうか。商品カテゴリーごとにトップのブランドを作るという目標を掲げ、当時100を超えていた資生堂の商品ブランドを一気に集約・削減した。広告宣伝費や販促費の無駄な分散を防ぎ、効率よく活用した結果、「マキアージュ」や「TSUBAKI」の大ヒットにつながったことは記憶に新しい。まさにブランドの「選択と集中」が奏功した好例と言えるだろう。また昨年(2007年)の7月、KDDIが、消費者への身近さや便利さを訴求するために、インターネット接続サービスのブランド「DION」を「au one net」に変更し、auブランドに統合したという例もある。

さらに、企業提携とブランド戦略も大きなテーマになってきた。2月20日には、「ダスキン」と「モスフードサービス」の資本業務提携が発表された。商品開発、販売促進、品質管理、購買、物流で協力するほか、共同出店や業態開発にも取り組む。ダスキンが手がける「ミスタードーナツ」と「モスバーガー」がどのようなコラボレーションになるのか楽しみである。4月18日開催の「ブランド・ジャパン 2008発行記念ブランド・セミナー」には、アサヒビールとカゴメが共同開発した「Tomate(トマーテ)」の両社の担当者にご登壇いただく。アルコール飲料のアサヒと、トマトのカゴメが、ブランド力のコアを生かしながら、互いの強みをどのように融合して、このようなヒット商品を生んだのか、その開発秘話をお話しいただく予定である。

もっと地道なブランドづくりへ、“インナー”への注力が欠かせない

外から見ると、このようなブランド戦略は魅力的で革新的に映るかもしれない。ただし、現在のブランドづくりは、社内の従業員全体のベクトルと一致していなければすぐに色あせてしまう。すべてのコンタクト・ポイントで「お客様を裏切らない」ことから顔をそむけることはできない(ブランド・ジャパン企画委員会委員長 片平秀貴氏へのインタビュー参照)。働くことへのモチベーションを刺激し自社ブランドに対する理解、会社への帰属意識などを深めていくために、従業員に対する地道なブランドの啓蒙や教育が、必要不可欠なプロセスになってきた。こういった「インナーブランディング戦略」を、外に向けたブランド戦略と同時に進めていく必要がある。今まで競い合ってきた2社が、資本の論理で突然手を握り合うことも、いまや珍しいことではないから、従業員教育は重要である。

“ブランド”というと、まだ斜に構えてしまう企業も多い。しかし要は、働きがいを持って仕事をするために、また、生活者から信頼され、永続的に好感をもたれる企業になるためにどうすればよいのか、さらに自社のアイデンティティーは何なのかを考えることに他ならない。こうして表裏のないブランド・イメージを作り上げれば、「まだ見ぬ社員」、つまりリクルート面でも、優秀な人材を確保できるに違いない。こうした時代の流れから、近ごろ弊社にも、「インナーブランド調査」のお問い合わせを数多く頂戴している。

「ブランド・ジャパン 2008」早期予約で「企業ネガティブ・イメージ調査」を即納

なお最後に、今年のブランド・ジャパンの“宣伝”を少々お許しいただきたい。今年は「ブランド・ジャパン 2007(BtoB編)」の上位ブランドを中心とした264の企業ブランドについて、 消費者がどのような「ネガティブ・イメージ/マイナス・イメージ」を抱いているかを測定した「企業ネガティブ・イメージ調査」を実施し、その結果を「ブランド・ジャパン 2008」の早期予約申込の特典とした。「ブランド・ジャパン」の発行は4月18日だが、予約申込みをいただいた時点で「企業ネガティブ・イメージ調査」の結果をまとめたCD-ROMをお送りする。

ブランド・ジャパンでは、各イメージ項目に肯定的なワーディングを採用しているが、今回初めて行った「企業ネガティブ・イメージ調査」では、企業ブランドにとって、「好ましくない/否定的な」ブランド・イメージの選択肢を30項目提示した。 1つ1つの選択肢をよくご覧いただき、「確かにそう思う」と判断されたものにチェックを付ける方式である。弱点を克服し、より強いブランドを構築するために、またその弱点は、今すぐ克服しなければならないほど根が深いのかどうか、データをじっくり分析していただきたい。さらに今回の「ブランド・ジャパン 2008」ではCD-ROMの使い勝手も向上した。継続的データ価値をますます増した「ブランド・ジャパン」は、企業の皆様の次なるアクションに結びつく必須の基礎情報となると確信している。

また、本年より「ブランド・ジャパン」を中核に、日経BPコンサルティングの各部署(調査部やWebコンサルティング部)あるいは外部機関と協力して、ブランド関連サービスを横断的に拡充する組織としてブランド・センターを立ち上げた。独自の調査ノウハウや調査システムを使い、客観的な立場から、ブランドを構成する様々な要素を詳しく検証し、企業の大切な資産であるブランドを、総合的に向上させる指針を導き出すための調査、コンサルティングを実施し、個々の企業活動に貢献していきたい。どうぞご期待下さい。


(吉田健一=ブランド・ジャパン プロジェクト・リーダー)


◆吉田健一の過去のコラム

バックナンバー一覧へ戻る↑このコラムの冒頭へ